【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

【ASHリポート】新規分子標的薬カーフィルゾミブ 未治療の多発性骨髄腫に単剤で良好な奏効率

公開日時 2010/12/13 06:00

既存薬のボルテゾミブで未治療の多発性骨髄腫(MM)で新規分子標的薬のカーフィルゾミブ(Carfilzomib:CFZ)単剤治療は良好な奏効率を示し、重篤な副作用も少ないことが分かった。ワシントン大学のRavi Vij氏が、カーフィルゾミブのオープンラベル単一群試験の結果を基に第52回米国血液学会(ASH)2010年次総会で12月4日、報告した。


Vij氏らは(1)ECOGパフォーマンス・ステイタス0-2(2)初期治療に反応(3)3種類以内の治療を実施後の再発・難治-のボルテゾミブ未治療MMを対象とした。


対象症例を4週間28日間を1サイクルにしてCFZを週2回(1、2、8、9、15、16日目)に20mg/m2を最大12サイクル投与するコホート1の59例と、1サイクル目の投与量を20mg/m2、2サイクル目以降を27mg/m2を投与するコホート2の65例で奏功率などを比較検討。なお、CFZによる発熱などの対策として1サイクル目の直前のみデキサメタゾン4mgを経口投与した。


患者背景としては、両コホート登録患者で一部染色体欠損や転座といった薬物治療難治例14%が含まれていたほか、グレード2以下の末梢神経障害既往52%、ECOGパフォーマンスステイタス1以上59%、国際病期分類ステージⅢ17%、クレアチニン・クリアランス50mL/min未満16%など。


◎Vij氏「合併症があるMMや再発・難治MMでも有用性が高い」


客観的奏効率(ORR:部分奏功以上)はコホート1で42%(うちCR3%、VGPR14%)、コホート2で53%(うちCR2%、VGPR27%)、臨床的有効率(CBR:病勢安定以上)はコホート1で59%、コホート2で63%だった。
コホート1での無増悪期間(TTP)中央値は8.3カ月、奏効期間中央値(DOR)は13.1カ月、コホート2ではいずれも未到達。


一方、グレード3以上の主な有害事象は、コホート1で血小板減少症と肺炎が各14%、好中球減少症、リンパ球減少症、倦怠感が各12%、貧血10%であり、コホート2では貧血15%、リンパ球減少症14%、肺炎と好中球減少が各12%、血小板減少症9%。また、治療に起因した末梢神経障害はコホート1で2%(1例)のみで、末梢神経障害による治療中止例は皆無だった。


こうしたことからVij氏は「CFZによる有害事象は概して重篤ではなく、臨床的にも管理可能であり、末梢神経障害や腎機能低下などの合併症があるMMや再発・難治MMでも有用性が高い」と結論付けている。
 

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(3)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー