GSK 再発・難治性の多発性骨髄腫治療薬・ベランタマブ マホドチンを承認申請
公開日時 2024/09/19 04:49
グラクソ・スミスクラインは9月17日、再発又は難治性の多発性骨髄腫治療薬・ベランタマブ マホドチンを承認申請したと発表した。この申請は、ベランタマブ マホドチンとボルテゾミブ及びデキサメタゾン(BorDex)、またはポマリドミド及びデキサメタゾン(PomDex)との併用療法となる。ベランタマブ マホドチンは厚労省から希少疾病用医薬品に指定されており、優先審査される。
ベランタマブ マホドチンは、非切断型のリンカーを介して、ヒト化抗BCMAモノクローナル抗体に細胞傷害性薬剤であるアウリスタチンFを結合させた抗体薬物複合体(ADC)。薬剤リンカー技術はSeagen社からライセンス供与されている。モノクローナル抗体は、協和キリングループのBioWa社からライセンス供与を受けたポテリジェント技術を用いて製造している。
今回の申請は、第3相試験DREAMM-7およびDREAMM-8の中間結果に基づく。DREAMM-7ではベランタマブ マホドチンとBorDexの併用とダラツムマブとBorDexの併用とを比較検討した。DREAMM-8ではベランタマブ マホドチンとPomDexの併用とボルテゾミブとPomDexの併用とを比較検討した。
両試験とも主要評価項目を満たしており、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に対してベランタマブ マホドチンの併用療法は、標準治療の併用療法と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示した。中間解析時点では統計学的に有意ではなかったが、両試験とも全生存期間(OS)に延長傾向が認められた。OSについては追跡調査を継続する。
DREAMM-7およびDREAMM-8でみられたベランタマブ マホドチンの併用療法の安全性および忍容性のプロファイルは、「個々の薬剤で既知のプロファイルとおおむね一致していた」としている。
日本では、多発性骨髄腫と診断される患者数が過去約50年間にわたり増加傾向にあり、多発性骨髄腫に対する医療上の懸念はますます高まっている。日本では毎年約7200人以上が新たに多発性骨髄腫と診断されている。多発性骨髄腫は既存の治療に対して治療抵抗性となることが多く、治療抵抗性となった患者に対する治療選択肢を増やすことが急務となっている。