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沢井製薬 経営統合提案拒否のキョーリンに説明要求 「引き続き理解求める」

公開日時 2010/12/17 04:02

沢井製薬は12月16日、キョーリン製薬ホールディングスに経営統合提案を持ちかけたものの拒否された件について、当初計画通り2011年2月末まで引き続き同提案への理解を求めていくとともに、拒否理由の詳細な説明を求める質問書を同日開催の取締役会で決議したと発表した。特に沢井は今回、キョーリン株の約4.8%を保有する第4位の株主であることに触れながら、沢井を含むキョーリン株主に説明すべきと迫っている。これに対してキョーリンは本誌取材に、「(説明を求める)書簡を受け取った。真摯に検討させていただく」とのみコメントした。

沢井は今年8月に水面下でキョーリンと経営統合の交渉を始めたが、キョーリンが9月30日付で企業価値向上の観点から断った。これに対して沢井は12月2日に経営統合提案を機関決定した上で、更にその内容を公開し、キョーリンの全ステークホルダーに訴える戦略に出た。これにキョーリンは、8月の提案内容と相違がないとして、12月7日には提案を拒否することを機関決定した上で、沢井に回答した。今回の沢井の質問書は、キョーリンの7日付の回答で不明な点があるとしてまとめたもの。質問書への回答期限は11年1月14日としている。

沢井提案の柱は、新薬事業と後発品事業を車の両輪とした「ハイブリッド型製薬企業」を構築することや、後発品は成長産業であること――など。これに対してキョーリンは、後発品使用促進政策の最終年度である2012年度以降の政府の後発品に対するスタンスが不透明なことなどを理由に、後発品事業の中長期の成長性にそもそも疑問があり、現時点で、新薬と後発品を車の両輪とするビジネスモデルを構築することは経営上のリスクが増すとの考え。キョーリンの後発品事業の位置付けは、「新薬事業の補完目的」としている。

沢井の今回の質問は大きく7つ。具体的には、▽後発品事業の成長性を否定する根拠と、キョーリンの現中期計画に盛り込まれている後発品事業の拡大方針との整合性▽キョーリンは、新薬事業で注力している特定領域を補完する目的で後発品事業を手掛けると表明しているが、補完目的とは具体的にどのようなことを指すのか▽沢井提案のハイブリッド型ビジネスモデルが企業価値を毀損ならしめると判断した理由▽提案拒否に至ったこれまでの検討の経緯▽キョーリン中期計画と沢井提案について、定量的な観点での検討結果▽キョーリンの中期計画達成に向けた各事業における具体的施策▽沢井提案を上回るような企業価値及び株主共同の利益向上に資する代替案があれば説明願いたい――というもの。

 

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