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ロシュD・小川社長 中外製薬と個別化医療(診断薬)の共同開発に意欲

公開日時 2011/02/04 04:02

ロシュ・ダイアグノスティックスの小川渉社長兼CEOは2月3日に開いた記者懇談会で、10年度業績と11年度の戦略と業界展望について説明するとともに、今後、中外製薬と個別化医療に関し、分子標的薬の早期段階から共同開発を開始し、治療対象者を高精度に選別する診断薬の早期開発・同時承認を目指す方針を明らかにした。小川社長は本誌の取材に対し「個別化医療ビジネスはいまは仕込みの段階だが、10年後くらいには全売上の4分の1程度まで持っていきたい」と抱負を語った。11年度には乳がん治療薬ハーセプチン(抗体医薬)の胃がんの適応拡大が見込まれ、薬剤選択のための検査検体数の増加が予想されることから、同社が2月下旬に予定する新マーカーキット(HER2遺伝子診断)の投入で売上拡大が見込めるとした。
 
同社の10年度の売上実績は対前年比3.6%増の445億円となった。免疫検査、病理検査、研究用の試薬・機器の伸びが寄与し、業界平均の伸長率1.5~2%を上回る伸びを達成した。11年度は全ての事業領域(7事業)で28製品の発売を予定しており、小川氏は「業界平均成長2%を上回る3%以上(売上高459億円)の成長を目指す」と意気込みを示した。
 
新製品のなかで注目のひとつが、「ベンタナ インフォームDual ISH HER2キット」(組織検査用悪性腫瘍マーカーキット)。乳がんと胃がんの組織、細胞中のHER2遺伝子増幅を検出する体外診断用医薬品で、2月下旬に発売予定。国内の胃がん患者数は乳がん患者の約2倍の10万人といわれ、ベンタナ インフォームDual ISH HER2キットの11年度の売上目標は3000万円(HER2キット[乳がん]の国内市場は推定2億9000万円、民間調査会社のデータ)。

小川氏は今後の個別化医療に関する事業計画についても触れ、「ロシュグループ全体で160のバイオマーカーのプロジェクトが動いている。このうち16については具体的な薬剤が見えており、うち3つは3年くらいの間にコンパニオン診断薬として開発したい」との意向を示した。具体的には悪性黒色腫(メラノーマ)の薬剤選択の候補マーカー(B-RAF)や大腸がんの薬剤選択の候補マーカー(K-RASなど)の診断薬としての実用化を目指す方針だ。
 

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