妊婦のインフル 内科と産科どちらで診るべき? 両科連携して対応が半数以上
公開日時 2011/03/25 04:00
医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、麻疹やインフルエンザなどに罹患した妊婦を内科と産婦人科のどちらで診るべきか、との調査結果をまとめた。「両科がともに対応できる体制であるべき」との回答が56%と半数を超える一方、「産婦人科が診るべき」との回答も30%にのぼった。その理由には、「胎児への感染・薬剤の影響などについて判断できない」といった意見が多い。また、「内科が診るべき」は11%で、「他の妊婦さんへの感染を避けたい」とのコメントが見られた。メドピアの会員医師は約3万5000人。
調査は2月21日~3月6日に実施した。有効回答数は1523件。同調査は、会員医師が他の会員医師に日常診療の素朴な疑問を聞くもの。
「両科がともに対応できる体制であるべき」との回答医師からは、「責任問題の点から産婦人科医に診てもらいたいが、単純に麻疹やインフルエンザの治療は内科医の方が慣れているはず。結果的には両科が情報交換しながら診るべき」(30代、一般内科)や、「多くの産婦人科医は診断や治療方針に不安があり、多くの内科医は処方薬の選択に不安があるのが現状と思う。どちらが診ても良いと思うが、連携をとることができる体制が望ましい」(40代、産婦人科医)、「基本的にインフルエンザは内科が診察すべきだが、そのことを産科主治医が知らないというのはよくない。お互いに連携すべき」(40代、一般内科)――といったコメントが散見された。
「産婦人科が診るべき」との医師からは、「胎児への薬剤影響を考慮しなければならないし、結局、産婦人科に相談することになるから」(30代、一般内科)や「胎児への影響がどの妊娠期でどのくらいあるのか、分娩に影響するのか、はっきりいってわからない」(40代、循環器内科)といった意見のほか、産婦人科医からも「内科に最初に診てもらっても結局産婦人科に相談があるので、必要に応じて産婦人科から内科に相談する形がスムーズと思う」(40代)とのコメントが寄せられた。
一方、「内科が診るべき」との医師からは、「内科の病気。妊婦さんが骨折したら整形外科、急性虫垂炎になったら外科が診るのと同じ理屈」(40代、一般内科)、「肺炎などの重症化に備えるべき」(30代、一般内科)とのコメントが多い。産婦人科医からは、「感染の危険から防御する目的で、産科で診療することは極力避けるべき」(40代)や、「妊娠にまつわる異常でなければ当該の診療科で診るべきと思う」(70代)と内科系医師と同様のコメントも見られた。