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鎮痛薬による胃潰瘍等の予防 胃粘膜防御系薬を処方が過半数 PPIは5人に1人

公開日時 2011/04/11 04:00

医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、鎮痛薬の消化器系副作用の予防にどのような薬剤を使用するかとの調査結果をまとめた。最も多かった回答は「胃粘膜の防御系薬剤を処方」で回答医師の53%を占め、その理由としては「短期的な処方のため」や「医療費負担を考慮」といったコメントが目立った。これに次ぐ回答は「PPIを処方」の20%で、「エビデンスがある」や「保険適応になったので」とのコメントが散見された。「H2ブロッカーを処方」は14%で、PPIに次ぐ回答率だった。MedPeerの会員医師数は約3万5000人。

調査は2月28日~3月13日に実施した。有効回答数は2731件。同調査は会員医師が他の会員医師に日常診療に関する疑問を投げかけて回答を得るもの。今回の質問は、「長期処方の痛み止めのために処方された鎮痛薬でできる胃潰瘍などの副作用。予防のための胃薬としていまだに胃粘膜の防御系薬剤が使われているが、消化器専門医としては出血などが心配。PPIが昨秋に適応追加されたが、職場ではどのような処方方針か」との内容。

「胃粘膜の防御系薬剤を処方」と答えた医師からは、「エビデンス的にはPPIが良いとわかっているが、短期間ならコストのことも考えて防御系にしてしまいがち」(40代、消化器内科)や「全例PPI併用については医療経済的にどうか」(30代、消化器内科)、「PPIが有効とのエビデンスがあることも知っているが、今のところ胃粘膜保護剤だけで良いのではないかと考えるし、実際あまり困っていない」(50代、呼吸器外科)とのコメントが散見された。ただ、この呼吸器外科の医師を含めて回答医師の多くで、潰瘍などの既往や胃粘膜保護剤で不十分な場合はPPIやH2ブロッカーを使用する、とのコメントも見られた。

一方、「PPIを処方」と答えた医師からは、「エビデンスがあるのはPPIだけと考えている」(50代、一般内科)や「ガイドライン通りPPIを処方」(40代、血液内科)といったコメントのほか、「粘膜保護剤では全く不十分。最低でもH2高用量、可能であればPPI投与が必要だと常々感じている」(50代、消化器内科)、「基本的にリスクのない若い人などには処方しないが、高齢者や胃潰瘍の既往のある人には最初からPPIを併用する」(30代、一般内科)――などのコメントが見られた。

「H2ブロッカーを処方」との回答医師からは、「胃潰瘍の併発が怖い。後発品を使用」(60代、一般内科)や「効果と薬価のバランスを考えると、H2ブロッカーが一番妥当(40代、一般内科)と効果と患者負担の両面に触れるコメントが多い。30代の一般内科医は「エビデンスとしてはPPIかH2のフルドーズと思うが、薬の濫用にもなる気がして、結局、粘膜保護薬とH2の半量~通常量で出すことが多い。胃潰瘍があればPPI」と書き込んだ。
 

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