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被災者のストレス・不眠 心筋梗塞や脳卒中など誘発 早急に予防を 自治医大の苅尾教授

公開日時 2011/04/13 04:02

自治医科大学内科学講座循環器内科学の苅尾七臣主任教授は4月12日、埼玉県内で開かれたプレスセミナーで、東日本大震災被災者が抱えるストレス、不眠が長引くと、心筋梗塞や脳卒中などを誘発しやすくなるとして、予防策の徹底を急ぐべきだと強く訴えた。

セミナーは、苅尾教授の呼びかけで行なわれたもの。苅尾教授は、95年の阪神大震災を淡路島で経験。現場で医療活動に従事した経験と、その後に蓄積されたエビデンスに基づいた対策を、今回の震災に活かしたいとして話した。

被災者の健康上のリスクが高まるのはのは心筋梗塞や脳卒中、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)など心血管系イベント。被災したことに加え、避難所生活でストレスが強まり、それで交感神経が活性化され、血圧を高めたりや血液が固まりやすくなる結果、心血管系イベントの発生リスクを高めるのだという。最悪、突然死を招く。

阪神大震災での調査では、75歳以上で、被害度合いが大きく、心筋梗塞や脳卒中など循環器疾患の既往がある被災者でリスクが高まることが分かっている。そのことから今回の震災でも、これら被災者をスクリーニングし、ハイリスク群に対し特に予防策を打つべきだと指摘した。

被災者の睡眠環境に懸念 必要に応じ睡眠薬投与も

予防策として、降圧薬や抗凝固薬などの投薬治療の継続を筆頭に、睡眠の改善、運動の維持、血栓症・感染症の予防などが挙げたが、今回の震災では睡眠については取り組みな不十分だと指摘。睡眠不足は、血圧上昇を促し、心血管系イベントを引き起こしやすくなることから、苅尾教授は対策を徹底する必要性を強調した。

自治医大の災害派遣チームが岩手県大船渡市の避難所の34人を調べたところ、血栓症・感染症の予防は指導が行きとどいており、投薬治療の継続や運動も7割以上で行われていた。

しかし、「夜間の避難所の電気を消し睡、6時間以上の睡眠をとる」ことができているという被災者は6割強で、とるべき予防策の中で達成率は最低。6時間以上とれても「睡眠の質」が悪いことも考えられる。加えて、血圧コントロールも8割以上でうまくいっていない(大船渡市の避難所384人調査)ことから、苅尾教授は、睡眠の改善によりリスクを抑えるべきだとした。

とはいえ避難所で睡眠環境を改善するには限界があることから、必要に応じて睡眠導入剤の投与も行われているという。苅尾教授は、睡眠不足と循環器疾患の悪化の問題はまだ十分周知されていないとして「明日からでも予防につながる行動パターンを、直ちに実践してほしい」と、睡眠の改善をより重視して取り組むことを呼びかけた。

訂正(13日10時20分)
セミナーの開催について「苅尾教授の呼びかけで行なわれた」と修正しました。

 

 

 

参照:苅尾教授が提唱しているリスクを測るチェックリストと予防策のチェックリストはこちら
      ↓↓↓↓
チェックリスト 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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