EVM EU理事会のワクチン促進合意を歓迎
公開日時 2011/06/08 04:00
欧州ワクチン製造業者協会(European Vaccine Manufacturers)は6月6日、EU理事会がワクチンを中心とした予防医療を推進すると合意したことを受け、それを歓迎する声明を発表した。保健担当関係閣僚で構成されるEU理事会は6月6日、ルクセンブルグで予防医療問題を協議、ワクチン接種の促進は感染症予防の上で特に重要との考えを改めて示し、ワクチン接種プログラムの促進・拡充を呼びかけることに合意した。
6月6日の理事会では、特に3月3-4日、ブダペスト(ハンガリー)で開催されたEUのワクチン専門家会議における小児に対するワクチン接種の成功例と課題についての協議が評価された。
協議では、低接種率集団での接種率向上策、ワクチンでの予防可能な疾患のサーベイランス実施、ワクチン接種モニタリングデータの品質向上などの必要性が強調された。
EVMのPatrick Florent会長(グラクソスミスクライン・バイオロジカルズ)は、EU理事会の議長国ハンガリーに謝辞を示すとしたうえで、「最近の欧州での麻疹の発生をみても欧州でのワクチン接種が十分でないことが証明された。我々は2010までに、麻疹を撲滅するという目標を達成できなかった」とEUでまだワクチン接種の努力が不十分との認識を示した。そのうえで、EU理事会が「感染症予防にはワクチン接種が最も有効な方法と位置づけたことに勇気づけられる」とEU理事会がワクチン政策を十分に理解している点を評価した。
同会長は、「我々は共通の敵と戦っているが、それを撲滅する道具をもっと有効に使わなければ撲滅できない」と関係国と共同してワクチン接種政策の一層効果的な展開の必要性を訴えた。
EVMは、欧州のワクチン製造業者団体で、EFPIA(欧州製薬団体連合会)の傘下にある。アボットバイオロジカルズ、アストラゼネカ、バクスター、クルーセル、グラクソスミスクライン・バイオロジカルズ、MSD、ノバルティス・ワクチンズ、ファイザー、サノフィパスツール、サノフィパスツールMSDの10社で構成される。