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【ISTHリポート】APPRAISE-2 アピキサバン抗血小板療法への上乗せで有効性示せず

公開日時 2011/07/26 06:54

 急性冠症候群(ACS)発症早期に、標準療法である抗血小板療法に加え、ファクターⅩa阻害剤・アピキサバンを追加投与しても、虚血性イベントの発症を抑制できず、出血頻度を増加させることが分かった。日本人を含むアピキサバンの国際共同臨床第3相試験の「APPRAISE-2(Apixaban for Prevention of Acute Ischemic Events 2)」の結果から示された。7月23~28日の日程で京都市の京都国際会館で開催される第23回国際血栓止血学会(ISTH2011)で、7月25日に開かれた「Late Breaking Clinical Trials」セッションで、Duke Clinical Research InstituteのJohn H. Alexander氏が報告した。


ACS発症早期の患者は、再灌流療法や抗血小板療法を行っているにもかかわらず、虚血性イベントを再発すると指摘されており、さらなる治療法の確立が待たれている。アスピリンとビタミンK拮抗薬(ワルファリン)との併用により、イベントの再発を抑制することがすでに報告されている一方で、新規抗凝固薬であるアピキサバンと抗血小板薬を併用した際の有用性は検討されていなかった。


試験は、虚血性イベントの再発リスクが高く、ACS発症後に抗血小板療法を受けており、出血リスクが許容できる患者を対象に、アピキサバン5mg1日2回を上乗せすることで、複合エンドポイント(心血管死+心筋梗塞+脳卒中)の発生率を減少できるか検討することを目的として実施された。


対象は、ACS(ST上昇型、非ST上昇型含む)の発症から7日以内で、再発リスクの高い
患者。▽65歳以上▽糖尿病▽5年以内の心筋梗塞の既往▽脳血管疾患▽末梢血管疾患(PAD)▽臨床的な心不全または左室駆出率<40%▽腎機能障害(CrCl<60ml/min)▽ACSイベントのための再灌流療法を行っていない――のうち、少なくとも2つ以上満たすこととした。


①アピキサバン5mg1日2回投与群(CrCl<40ml/minは2.5mg1日2回)②プラセボ群――に分け、治療効果と安全性を比較した。主要評価項目は、心血管死+心筋梗塞+虚血性脳卒中の複合エンドポイント。安全性は、TIMI基準による大出血。同剤の臨床第3相試験として、日本を含む世界39カ国858施設で実施された。


同試験は、2010年11月15日に、データモニタリング委員会が、臨床上重大な出血が虚血性イベントの発症抑制を上回るとして、早期中止を勧告した。解析対象はアピキサバン群3705例、プラセボ群3687例。平均追跡期間(中央値)は241日。


主要評価項目の発生率は、アピキサバン群で7.5%(279例)、プラセボ群では293例(7.9%)で、ハザード比は0.95で両群間に差はみられなかった(p=0.509[95%CI:0.80-1.11])。


死亡(アピキサバン群:4.2%、プラセボ群3.9%、ハザード比:0.514)、心血管死(アピキサバン群:2.8%、プラセボ群:2.9%、ハザード比:0.754)をはじめ、いずれのk上木についても2群間で有意差はみられなかった。


一方、TIMI基準による大出血は、アピキサバン群で1.3%(48例)、プラセボ群で0.5%(18例)で、有意にアピキサバン群で多い結果となった(p=0.001、ハザード比:2.59[95%CI:1.50-4.46])。このほか、TIMI基準による大出血+微小出血、ISTH基準(大出血、大出血+臨床上重大な出血)、GUSTO出血基準(重度)のいずれも、アピキサバン群で有意に高い発現頻度となった。また、頭蓋内出血はアピキサバン群で0.3%、プラセボ群では0.1%で、有意にアピキサバン群で多い結果となった(p=0.030)。


Alexander氏は、試験が早期中止されたことから、「想定したイベントの2/3しか発生しておらず、追跡期間(中央値)も8カ月しかないため、有効性に関する不確実なものが残っている可能性がある」と試験の限界を指摘した。


その上で、「ACS後の虚血性イベント発症のハイリスク患者における、抗血小板療法へのアピキサバンの追加投与は、虚血性イベントの有意な発症抑制効果を示せずに、大出血を増加させた」と結論付けた。


現在行われている抗血小板療法に抗凝固療法を上乗せする治療については、「慎重に投与し、抗凝固療法と抗血小板療法に明確な適応がある患者だけに投与する」よう求めた。また、「異なるリスク・ベネフィットのバランスがある併用療法と用量の抗血栓薬を探索するさらなる研究が求められる」と述べた。


なお、同試験の結果は同日付の「The New England Jounrnal of Medicine」に掲載された。

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