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リバロキサバン 米FDA諮問委が心房細動における脳卒中発症抑制で承認勧告

公開日時 2011/09/13 04:00

米・FDAの心血管・腎臓用薬諮問委員会は9月8日、ファクターⅩa阻害剤・リバロキサバン(商品名:Xarelto)を「非弁膜症性心房細動患者における脳卒中と全身性塞栓症の発症抑制」の適応で、承認勧告した。ただし、同剤の適応は、第一選択薬でなく、他の抗凝固薬での治療に難渋した場合に限るとの制限が設けられると見られている。9月8日付のThe Pink Sheet Dailyが報じた。


同日開かれた諮問委員会では、賛成9、反対2、棄権1で、承認が勧告された。同剤の適応勧告は、非弁膜症性心房細動患者約1万4000例を対象に行われた同剤の臨床第3相試験「ROCKET AF」のデータに基づく。なお、同試験には日本は含まれていない。


同試験では、有効性(脳卒中+全身性塞栓症の発生予防)において、対照群であるワルファリンへの非劣性を示したが、優越性を示したかどうかは議論があるところだ。非劣性を検証する試験デザインであることに加え、On Treatment解析(実際に薬剤を服用した患者のみを対象)では優越性を示したものの、ITT解析(逸脱者も含め全ての患者を対象)では優越性を示すことができなかったためだ。


また、対照群のワルファリンの効果の指標である「INR 至適範囲内時間(Time in Therapeutic Range:TTR)」が低いことや、リバロキサバン群で、服薬を中止し、ワルファリンに切り替えた症例では、脳卒中の発症リスクが高いことが指摘されている。


9月8日付のThe Pink Sheet Dailyによると、諮問委員の1人であるCedars-Sinai Medical CenterのSanjay Kaul氏は、同誌の取材に対し、ワルファリン、直接トロンビン阻害剤・ダビガトランに次ぐ第三選択薬として用いるべきとの考えを示している。そのほか、少なくともその他に6人の委員が、他の抗凝固療法に難渋した場合など、適応に制限を設けることに賛成しているという。


一方、Cleveland ClinicのSteven Nissen氏は、反対に票を投じた1人で、リバロキサバンがダビガトランと同様の適応を取得することで、「時代が前に進むのではなく、後退する可能性がある」と語っている。一方で、ワルファリンやダビガトランで重篤な有害事象が発生した患者の代替薬としては有効であるとの考えも示している。


◎切り替え時の適正使用推進で医師向けガイダンス作成も視野に


「ROCKET AF」では、リバロキサバン群で、ワルファリンに切り替えた症例では、二重盲検を保つ観点から、PT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)を測定しておらず、その結果としてPT-INRが治療域に入るまで、平均13日かかっていることも示されており、これが脳卒中の発生率に影響を与えたことも指摘されている。


そのため、同剤を米国で販売するジョンソン&ジョンソングループのヤンセンファーマシューティカルズは、ワルファリンからリバロキサバンに切り替える際の適正使用を進めるために、医師向けのガイダンスを作成する方向で、FDAと議論を進めているという。


今後、FDAによる承認可否の判断は、11月上旬に行われる見通し。なお、同剤の販売権は、米国ではヤンセンファーマシューティカルズ、米国以外の全市場をバイエルが保有している
 

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