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米国 保険償還は開発段階での見通しが課題?

公開日時 2012/01/27 04:00

政府の保険財政の逼迫状況から、製薬企業は、新薬開発の段階で、安全性、有効性、承認の可否ばかりでなく、上市後保険償還が可能かどうかの見通しが重要な課題となってきた。

2011年は、大手製薬企業が大手保険支払機関や支払機関の研究部門と契約、製薬企業の開発プログラムのなかに保険償還を考慮した市場へのアクセス方法を取り入れる試みを始めたエポックメイキングな年となった。

アストラゼネカ(AZ)がウェルポイント、サノフィがメドコヘルスソリューションズ(現エキスプレススクリプツの一部門)、ファイザーがヒュマナおよびメドコと契約を交わした。

AZのMahmood Lahda氏(事業開発担当部長)は、「製薬企業がヘルスケアアウトカムのデータを獲得しようとして分かったことの1つは、我々が行ってきた研究方法では将来の見通しは十分でないということだ。我々は、製品を確実に安全、有効で承認取得できるものにするばかりでなく、保険償還できるものにしなければならない」と話し、ウェルポイントと契約した理由を語った。

保険償還できる薬剤にするためには、支払者の関心が強く、かつ医薬品の価値を強調するようなエンドポイントが必要となる。一例としては、入院を減少させる、救急室での受診を減少させる、コンプライアンスを改善させるなど医療費を削減させることが明確となる指標が上げられる。


ファイザーのJames Harnett上級部長(米国ヘルスエコノミクス・アウトカム・グループ)は、ヒュマナとの提携で、承認に重要なエンドポイントばかりでなく、保険償還に重要なエンドポイントを盛り込んだ臨床試験デザインを立案することを計画している。また、この提携では、アルツハイマー病、疼痛、心血管疾患の慢性疾患に研究領域を絞っている。

AZとウェルポイントの提携では、ウェルポイントの子会社HealthCoreの持つ保険加入者4400万人のデータを活用、疾患領域を限定せず、早期開発段階での共同研究も含むなど対象が幅広い。また、同提携では、政府機関、病院、他の支払者・製薬企業とこの研究に関するコンソーシウムを設置する計画を持っている。

いずれにせよ、このような動きが臨床試験デザインを大きく変える可能性があると同時に、開発時点で保険償還を念頭に置く必要性が出てくるなど、業界へのインパクトが非常に注目されている。


(The Pink Sheet 1月9日号)

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