CHMP タビガトランで致死的出血リスク軽減と管理方法の指針改定を要請
公開日時 2012/06/05 04:00
欧州医薬品庁の医薬品諮問委員会(CHMP)はこのほど、抗凝固薬である直接的トロンビン阻害薬・ダビガトランエテキシラート(欧州での商品名:プラダキサ、国内商品名:プラザキサ)について、医師や患者向けに致死的出血リスク軽減とその管理方法に関するより明確な指針を改定して提供するよう求める声明を発表した。
同諮問委員会は現在入手可能なデータに基づき、ダビガトランの臨床的ベネフィットはリスクを上回ると結論。同時に現在までの市販後調査から判明している致死的出血の発生頻度は、臨床試験で認められた頻度より有意に低いとした。
ただ、市販後調査も含む、現在入手可能なあらゆるデータから致死的出血リスクの評価し、それに基づく製品情報の改訂が必要と強調。改訂情報では、とりわけ服用を禁止すべき対象と同時に出血リスクが発生した際の管理方法と抗凝固作用の解消方法についての詳細な情報が含まれるべきとした。
また、ダビガトランの服用患者に対しては、服用中は出血リスクが上昇することを認識すべきとし、服用中の転倒や受傷、とりわけ頭部に対する受傷などの際には、緊急の医療処置を模索すべきとした。
なお、欧州医薬品庁はCHMPの推奨に基づき、患者、医療従事者向けのQ&Aを作成を行ったことを明らかにするとともに、CHMPもこの懸念について今後も慎重に監視していく必要があるとの認識を表明した。