サプリメントの功罪
公開日時 2012/06/18 04:00
アメリカで腎臓移植を受けた74歳の男性。1年目の定期検診での血液検査の結果「(投与されている)免疫抑制剤がほとんど効いていない」ことがわかり、担当の医師を慌てさせた。ようやく突き止められた原因は、この男性患者が「落ち込みがちな気分を引き立てる」ために服用していたサプリメント。免疫抑制剤にネガティブな影響を及ぼしていたのは主成分のオトギリソウ(SaintJohn’sWort)であった。(医療ジャーナリスト西村由美子)男性がサプリメントの常用を医師に報告しなかった理由は単純で「サプリメントが薬だなんて考えてもみなかったから」だ。だが、たとえばオトギリソウは抗鬱剤や抗凝血剤の薬剤効果を妨げることで夙に知られており、今回の事例で免疫抑制剤にも強い影響を及ぼすことが確認されたわけである。相互作用のリス...