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米Forest Tudorzaのデリバリーの利点を生かす

公開日時 2012/08/16 04:00

 米Forest Laboratoriesは7月24日に抗コリン薬Tudorza Pressair (aclidinium bromide)についてCOPD (慢性閉塞性肺疾患)の適応で承認取得したが、他剤と比べて、同剤のデリバリーシステムでのメリットを生かし販売を拡大する方針だ。


同剤の適応症は、COPDに伴う気管支痙攣の長時間作用型維持療法。剤型は吸入パウダーで、用法用量は1日2回400mcg。


同剤の吸入機器は、患者が正しく吸入できるように、投与量が正確に示されるように色分けし見やすくしたウィンドウを設置したことやレバーを動かすと音が出るようにしたほか、使い切った際にはロックされるなど他社製品にない安全性およびコンプライアンス確保策での工夫を施した。


機器には、投与量60回分が含まれている。競合品であるファイザーのSpiriva(チオトロピウム)もCOPDの維持療法の適応を持つが、患者は投与ごとに吸入器にカプセルを挿入しなければならない。しかし、1日1回投与だ。同剤は2004年に発売され、COPDの増悪の適応も取得している。


Tudorzaは1日2回投与でSprivaの1日1回投与に比べ、患者の利便性とコンプライアンスの面から不利のように見える。しかし、Forestは、これを否定的には見ていない。同社は、「1日2回投与は1日を通して服用したかどうかを(1日の最後に)再確認するので、患者に受け入れられると信じている」とコメントしている。


Forestは、Tudorzaの上市により、競争力のある呼吸器フランチャイズ領域を強化することと同時に、特許切れを迎える抗うつ剤Lexapro(エスシタロプラム)とアルツハイマー型認知症治療薬Namenda(メマンチン)による業績への打撃の緩和も狙っている。


同社は、呼吸器専門医やプライマリケア医に同剤と2011年に承認取得したDaliresp(ロフルミラスト)を一緒に販促する考えだ。同剤はホスホジエステラーゼ4阻害剤で、慢性気管支炎や再燃の病歴のある重症COPD患者の増悪の抑制の適応を取得している。


Forestは、「我々のDalirespについての医師に対する教育への努力はCOPD治療薬市場へのTudorza導入を促すことになる」とTudorza販促との相乗効果への期待は大きい。両剤は適応症では補完関係にあるので、併用を促すこともできる。患者教育では、COPDとTudorzaについて説明する患者向けパンフレットおよびウェッブサイトを用意する。


一方、Forestの幹部は、乗っ取り王Carl Icahn氏が仕掛けた委任状争奪戦にまたも巻き込まれている。ここ2年間で2度目である。同氏は4人をForestの取締役会に送り込むことを画策している。その採決は8月15日の年次総会で予定されている。

 


 

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