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FDA  ALL治療薬Marqiboを承認

公開日時 2012/08/17 04:00

米食品医薬品局(FDA)は8月9日、成人におけるフィラデルフィア染色体陰性の急性リンパ芽球性白血病白血病(ALL)を適応としたMarqibo (硫酸ビンクリスチンリポソーム注射剤)を承認した。同剤の対象は、ALLを2度以上再発した患者。同剤は、抗がん剤ビンクリスチンをリポソームに封入した注射剤で、週1回投与。


FDAは同剤を加速承認の対象としていた。加速承認のシステムは、当該薬剤が患者への臨床的ベネフィットを合理的に予測させるサロゲートエンドポイントを示すことで、重篤な疾患について、患者アクセスを迅速にさせるために承認するもの。また、同剤は希少疾病薬の指定も受けた。


Marqiboの有効性は、標準治療を受療したにも関わらず2回以上ALLを再発した患者を対象とした1件の臨床試験で検証された。登録数65例のうち、10例(15.4%)でCR (完全寛解)もしくはCRi (血球数の不完全回復を伴うCR)が示された。10例の寛解期間(中央値)は28日だった。再発が始まるまでの期間、あるいは死亡もしくは次の治療開始までの期間(中央値)は56日。


安全性は、83例を対象とした2件の臨床試験で評価された。発熱を伴う白血球数減少、低血圧、呼吸困難、心停止など重篤な副作用は76%で見られた。その他の副作用は、便秘、悪心、血球数減少、発熱、神経損傷、下痢、疲労感、食慾不振など。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)の血液・腫瘍製品部長は、「Marqiboの承認は、FDAが重篤な疾患やアンメットメディカルニーズに応える薬剤開発や承認に関与していることを示すもの」とFDAの姿勢を評価したうえで、「同剤は、従来の治療法で奏功しないフィラデルフィア染色体陰性の急性リンパ芽球性白血病白血病に対するオプションを追加するもの」と同剤の登場を歓迎した。


同剤は、Talon Therapeutics Inc (本社:カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)が販売する。


TalonのSteven Deitcher社長兼CEOは、「Marqiboが従来十分な治療を受けていない患者に提供されることは喜ばしい」と承認を歓迎しながら、「この承認はTalonにとっての転換点であり、今日までの企業目標のひとつを達成したことになる」と同社にとってはエポックメイキングだとの見方を示した。同社はリポソーム製剤技術を得意とし、がん領域に特化している。


米国立がん研究所(NCI)によると、2011年には、6050人がALLと診断され、1,440人がALLで死亡すると推計されている。


 


 

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