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【SABCS速報】CONFIRM最終解析 フルベストラント高用量投与で進行性ER陽性閉経後乳がん患者の全生存期間延長

公開日時 2012/12/10 06:00

局所再発または転移性のエストロゲン受容体(ER)陽性閉経後乳がん患者において、フルベストラントの高用量500mg投与は、標準用量250mgに比べ、75%のイベント発生時において、全生存期間(OS)の延長と死亡リスク低下させることが分かった。2用量の有効性、安全性を比較検討した臨床第3相無作為化多施設試験「CONFIRM」のOS最終解析の結果から示された。12月5~8日まで米サンアントニオで開催中の第35回サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)のジェネラルセッションで5日、イタリアHospital of PratoのAngelo Di Leo氏が発表した。


試験は、局所再発または転移性のエストロゲン受容体(ER)陽性閉経後乳がん患者において、フルベストラントの標準用量250mgと高用量500mgの有効性・安全性を比較検討することを目的に実施され、今回は、75%の患者が死亡した時点で解析した全生存(OS)の最終結果が報告された。


局所再発または転移性のER陽閉経後乳がん患者736例を、①フルベストラント250mg投与群(フルベストラント250mg筋肉内投与1回+プラセボ)374例、②500mg投与群(フルベストラント250mg 筋肉内投与2回)362例――に無作為に割り付けた。両群ともに、試験開始から0、14、28日、以後28日毎に投与を行った。


年齢(中央値)は61歳。エストロゲン受容体陽性率は、250mg群、500mg群ともに100%だった。内臓転移例は、250mg群で53%、500mg群で57%だった。術後療法としてのホルモン療法の前治療歴は、250mg群で67%、500mg群で64%だった。進行乳がんの一次ホルモン療法を受けていたのは、250mg群で49%、500mg群で48%だった。主要評価項目の無増悪生存(PFS)と、副次評価項目の、対象者の50%が死亡した時点のOSは、すでに報告されており、PFS(中央値)は250mg群の5.5カ月間に対し、500mg群は6.5カ月間(ハザード比(HR):0.80、95% CI: 0.68 – 0.94、p=0.006)で、500mg群が有意に延長していた。OSは、被験者の解析で、250mg群で22.8カ月、500mg群で25.1カ月(HR:0.84、95% CI: 0.69 – 1.03、p=0.091)と、数値的に500mg群が上回ったものの、統計的有意差は得られていなかった。


今回報告された75%の患者が死亡した時点で解析した時点で、フルベストラントが継続投与され、生存していたのは250mg群で2.1%、500mg群で3.6%、フルベストラント以外の治療を受けていた被験者は250mg群で9.9%、500mg群で12.4%だった。


解析の結果、250mg群は22.3カ月、500mg群は26.4カ月で、500mg群に4.1カ月の延長が見られた(HR:0.81、95% CI: 0.69 – 0.96、p=0.016)。同解析は探索的解析で、統計的検出力はないものの、50%のイベント時と75%のイベント時とで、一貫してOSの延長がみられた。

◎OSの延長 後治療の影響ではないことも示唆


500mg群の生存メリットへの後治療効果の影響を検討する目的で、フルベストラント後の最初の治療についてのデータも発表された。


その結果、最初の後治療が化学療法は両群ともに59%で、フルベストラント以外の内分泌療法は250mg群で31%、500mg群では35%で、両群間に差はみられなかった。後治療の客観的奏効率は、8%、臨床的ベネフィットは250mg群で41%、500mg群で33%だった。250mg群から500mg群にシフトした症例は2.1%にとどまった。
治療期間を通して発生した重篤な有害事象は、250mg群が7.2%、500mg群が9.7%で、大きな差はみられず、これまでに報告された有害事象との大きな差もみられなかった。死亡につながった有害事象は、250mg群7例(急性心筋梗塞2例、急性腎不全1例、誤嚥1例、自殺1例、高血圧1例、髄膜炎1例)、500mg群5例(心肺不全1例、死因不明1例、呼吸困難2例、腸腺がん1例)だった。


これらのデータからDi Leo氏は、「75%のイベント発生時における最終解析の結果、フルベストラント500mgは、250mgと比べてOS期間を4.1カ月延長し、死亡リスクを19%低下したことが分かった」と説明。「このデータは以前報告されたPFSとOSとも一致していた」とした。さらに、500㎎投与により、OSで良好な結果が得られたことについて、後続治療の影響ではないことも示唆されたと説明。安全性についても、これまでに報告されてきたプロファイルと一致していたことから、2次治療としての500mg投与の有用性を強調した。
 

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