サノフィは２月７日、2012年通期業績が売上高349億4700万ユーロ（前年比4.7％増）、営業利益113億5300万ユーロ（同6.5％減）、純利益81億7900万ユーロ（同7.0％減）の増収減益になったことを発表した。複数製品の特許失効というマイナス要素もあったが、トップ商品の持効型溶解インスリンアナログ製剤・ランタスの増収、ジェンザイム製品の売上回復や新興市場での好調さなどで医療用医薬品の減収要因を最小限に抑え、ワクチン事業、コンシューマーヘルスケア、動物薬事業などの増収でグループ全体として増収に持ち込んだ。

セグメント別売上高では医薬品（コンシューマーヘルスなども含む）事業288億7100万ユーロ（同3.5％増）。ワクチン事業38億9700万ユーロ（同12.3％増）、動物薬事業21億7900万ユーロ（同7.3％増）。なお、医薬品事業の中では、コンシューマーヘルスケア事業30億800万ユーロ（同12.8％増）、ジェネリック事業18億4400万ユーロ（同5.6％増）。

医療用医薬品の製品別売上高はランタス49億6000万ユーロ（同26.7％増）、抗血小板薬・プラビックス20億6600万ユーロ（同1.3％増）、血液凝固阻止薬・ロベノックス（国内商品名・クレキサン）18億9300万ユーロ（同10.3％減）、高血圧症治療薬・アプロベル11億5100万ユーロ（同13.3％減）、抗がん剤・エロキサチン9億5600万ユーロ（同10.7％減）、タキサン系抗がん剤・タキソテール5億6300万ユーロ（同38.9％減）、抗アレルギー薬・アレグラ5億5300万ユーロ（同4.7％減）、入眠薬・スティルノックス/アンビエン/マイスリー4億9700万ユーロ（同1.4％増）、スルホニルウレア系経口血糖降下薬・アマリール4億2100万ユーロ（同3.4％減）、抗てんかん・躁病治療・片頭痛治療薬・デパケン4億1000万ユーロ（同5.7％増）、高血圧治療薬（ACE阻害薬）・トリテース3億4500万ユーロ（同8.0％減）、抗不整脈薬・ムルタク2億5500万ユーロ（同2.3％減）、抗がん剤（進行前立腺癌治療薬）・ジェブタナ2億3500万ユーロ（同25.0％増）、超速効型インスリンアナログ製剤・アピドラ2億3000万ユーロ（同21.1％増）――。このうち長らく同社の主力商品だったタキソテールは2012年通期でブロックバスター圏外となった。

グループ会社ジェンザイムの製品別売上高は遺伝子組換え糖原病II型治療薬・マイオザイム/ルミザイム4億6200万ユーロ(恒常為替レート前年比11.4％増)、高リン血症治療薬・リナジェル6億5300万ユーロ（同13.0％増）、遺伝子組換えゴーシェ病治療薬・セレザイム6億3300万ユーロ（同6.0％増）、ヒアルロン酸ナトリウム架橋体製剤・サイビスク/サイビスクワン3億6300万ユーロ（同4.0％増）、遺伝子組換えファブリー病治療薬・ファブラザイム2億9200万ユーロ（同96.4％増）、

◎新興国市場　売上比率31.9％に

地域別売上高はアメリカ108億7300万ユーロ（恒常為替レート前年比0.7％増）、西ヨーロッパ83億3500万ユーロ（同9.3％減）、新興国市場111億4500万ユーロ（同8.3％増）、その他の国（カナダ、日本、オーストラリア、ニュージーランド）32億7400万ユーロ（同6.6％増）。

最も好調だった新興国市場売上高の全社売上高に占める比率は31.9％となった。新興国市場の内訳はラテンアメリカ34億3500万ユーロ（同11.3％増）、28億4100万ユーロ（同10.1％増）、アジア28億4100万ユーロ（同10.1％増、東ヨーロッパ・ロシア・トルコ27億2100万ユーロ（同2.1％増）、アフリカ10億1800万ユーロ（同8.3％増）、中近東10億100万ユーロ（同12.2％増）。

◎日本市場は6.6％増収　プラビックス16％増、マイスリー５％減

なお、日本の2012年通期売上高32億7300万ユーロ（同6.6％増、うち4.7％はジェンザイム製品）。日本国内の製品別売上高のうち今回の発表で判明しているものは、プラビックス8億3700万ユーロ（同16.0％増）、マイスリー2億9200万ユーロ（同5.0％減）、不活性化ポリオ単独ワクチン・イモバックスポリオ1億4200万ユーロ。