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【World Topics】最後の意思決定

公開日時 2013/08/05 03:50

洋の東西を問わず、もう助からないという状態になったときには「延命治療は受けたくない」という人が圧倒的に多い。米国カリフォルニア州の調査でも、調査対象者ほぼ全員が(自分には)延命治療は不要」と回答しており、82%は「(延命治療をうけたくないという)意思を明確に文書にしておくべきだ」と回答している。しかし、実際にそのような意思を文書にしている人は調査対象者中にわずか23%しかいなかった。(医療ジャーナリスト 西村由美子)


2014年に全面施行される医療改革法下では、医師は患者に「終末期医療についての意思表示を文書(”Living Will”または”Medical Will”と呼ばれる)にしておくよう」アドバイスするよう求められることになっている。実際私も、昨秋の健康診断の際、かかりつけ医に「もう”Living Will”は書きましたか?」とたずねられた。


だが、終末期医療に関する意思表示のみとはいえ、”Will”というからにはれっきとした「遺言書」である。しかも本人の命に関わることであるから、文書は正式の手続きにしたがって作成された法的効力のあるものでなければ、いざという時に効力を発揮しない。しかし米国でも、遺言書のような法律文書など自分には関係ない・・・というのがおおかたの庶民の気持ちである。だから、大事だとは思っても、実際には書いていないのである。(医療ジャーナリスト 西村由美子)

さらに“Medical Will“のむずかしさは、ひとつには、それが自分のことであれば、まだ元気で、意識もハッキリしていて、文書を作成することができるうちに、したがって自らの終末期医療について具体的にイメージができにくい段階で文書作成に取りかからなければならないという事実であろう。実感がないのだ。


もう1つの難しさは、少なからぬケースで、介護にあたっている者が介護している相手(たとえば配偶者や親など)とこの問題を、直裁にいえば「どう死にたいか」について話し合わなければならない可能性があるということだ。自分についての意思決定よりも、はるかに困難だろうと予想される。


このような状況に対し、さまざまな啓発活動がはじまっている。一般向けの“Medical Will”の作成支援に特化した事業には、たとえば”The Conversation Project”がある (http://theconversationproject.org/starter-kit/intro/ )。サイトでは、関係者、たとえば介護する者とされる者が、どのようにこの問題を話し合えばよいかというところから問題を共有し、その上で、具体的な支援策を(Willの書き方のハウツーまで)提案する。専門家からの情報提供だけでなく、サイトのユーザー同士が、実際に経験した身近な誰かの看取りや死についての経験を共有し、互いの経験に学びあうことができる。


カリフォルニア州のCCCC(The Coalition of the Compassionate Care of California:思いやりあふれるケア・カリフォルニア連合)のウェブサイトからもあらゆる情報を入手することができる( http://coalitionccc.org/ )。他の人の経験談を読むこともでき、文書作成には”Medical Will”とは何かの説明から実際の書き方までの情報が英語、中国語、スペイン語で提供されている。CCCCは患者やその家族などの一般消費者だけでなく、医療関係専門家への研修機会も提供している。

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