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田辺三菱 DPP-4阻害薬テネリアの「2型糖尿病」の適応 年内の承認取得目指す

公開日時 2013/09/02 03:52

田辺三菱製薬の柳澤憲一営業本部長は8月30日に都内で開いた記者懇談会で、9月1日に長期処方が解禁されたDPP-4阻害薬テネリアについて、「(医師に)多くの症例の確約をいただいている。9月から一斉に投与されるという計画を推進している」と述べ、処方増のネックのひとつになっていた14日処方制限の解除によるインパクトに期待感を示した。もう一つのネックは他の糖尿病薬との併用適応の少なさだが、これは2月に申請したインスリンや全ての経口血糖降下薬との併用を可能にする「2型糖尿病」の適応の承認取得で対応する。同社としては年内の取得を目指して取り組んでいるという。

テネリアは国内5番手のDPP-4阻害薬。第一三共と共同販売しており、計4000人のMR(田辺三菱約1600人、第一三共約2400人)を投入している。柳澤本部長は、「(シェアトップの)ジャヌビアをいかに切り替えるかは極めて至難だった」「投与制限と併用制限が5番手製剤として非常に苦しいところだった」と発売1年を振り返った。年内に2つの制限をクリアして、シェア拡大に弾みをつける考えだ。

土屋社長 SGLT2阻害薬カナグリフロジン ファーストインクラスで上市したい

一方、土屋裕弘社長は懇談会で、テネリアと、5月に承認申請した新規経口血糖降下薬のSGLT2阻害薬カナグリフロジン(一般名)の両剤で、「日本の糖尿病治療薬市場でトッププレゼンスの確立を目指す」と改めて表明した。糖尿病市場の売上シェアでトップを目指す考えを示したもの。両剤とも自社創製品であることから豊富な臨床データを武器にする。カナグリフロジンも第一三共と共同販売する。

糖尿病治療薬の多くがインスリンの分泌能改善や抵抗性改善といったインスリンにフォーカスした機序だが、SGLT2阻害薬は腎臓尿細管での糖の再吸収を抑制し、糖を尿中に排出する新しい機序の薬剤。血糖降下作用に加え、カロリーロスによる体重減少作用や利尿作用から血圧降下作用が期待され、インスリン系に作用しないので低血糖も惹起しにくいとされる。三津家正之開発本部長は懇談会で、「メタボリックシンドロームの死の四重奏(肥満、高血圧、脂質異常、糖尿病)のうち、3つを改善する薬剤」と説明した。安全性では、尿に含まれる糖分が多くなるため、尿路感染のリスクが指摘されている。

SGLT2阻害薬は国内の開発競争も激しく、6成分が開発後期もしくは承認申請中。申請は今年3月のイプラグリフロジン(アステラス製薬/寿製薬)を皮切りに、5月のカナグリフロジンは4番手の申請となる。土屋社長は、「どういう順番で承認されるか。我々はトップの箱に入って承認されることを期待している」と述べ、競合に遅れることなくファーストインクラスでの承認取得・上市を達成したい意向を示した。

なお、カナグリフロジンは導出先のヤンセンが米国で今年3月に承認を取得し、ファーストインクラスで上市した。処方が伸びて6月末時点でシェア14.5%となり、DPP-4阻害薬ジャヌビア12.2%、同トラゼンタ7.6%、同オングリザ4.6%――を抑えて処方トップという。背景には肥満症を合併する患者の多さがあると思われる。日本でのDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の使われ方が気になるところだが、田辺三菱は両剤を持つオリジンメーカーとしてなるべく早く戦略をたてる意向だ。

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