小野 褐色細胞腫の症状軽減薬メチロシンを導入 国内開発へ
公開日時 2013/10/23 03:50
小野薬品は10月22日、Valeant社から褐色細胞腫の症状軽減の治療薬として米国で販売されているメチロシン(一般名)の日本での独占的開発・商業化する権利を取得したと発表した。褐色細胞腫は、良性が約2600人、悪性は約300人という希少疾患で、患者会や関係学会から同剤の開発の要望を受けていたものの、国内では未承認薬でライセンスを保有する会社がなく、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」が開発企業を募集していた。ライセンスを保有した小野が今後、フェーズ1から国内で開発を進める。
検討会議の資料によると、褐色細胞腫の90%が良性で、腫瘍を外科的に摘除することで治癒可能だが、残りの10%は悪性であり、治療法が確立されていない。数年の経過で緩徐に増悪し死に至ることもある。その間にも、過剰に産生された神経伝達物質カテコールアミンにより高血圧、頻脈、不整脈、動悸などの症状が現れることから、同剤はカテコールアミンの産生に関わるチロシン水酸化酵素を阻害することで、これら循環器症状を軽減する効果が期待される。
小野はがん領域の新薬開発に注力しており、今回のライセンス取得もその一環。契約一時金など契約に伴う支払額は開示していない。