ノバルティス社 輸血診断部門をスペインGrifols社に売却
公開日時 2013/11/14 03:50
スイス・ノバルティス社は11月11日、輸血診断部門をスペインのGrifols社に16億7500万ドルで売却することについて正式契約を交わしたと発表した。実際の売却は関係当局の承認を要するため、2014年上半期に完了の予定。
今回の売却には、ノバルティスのコンパニオン診断薬部門は含まない。同社では、その理由として、同部門は医薬品の開発パイプラインと密接な関係があり、医薬品事業に統合されているからだとしている。Grifols社は、スペインのバルセロナに本社を置き、血漿由来医薬品製造業者としては世界第3位の企業。
ノバルティスは、Chiron社の一部だった輸血診断部門を2006年に買収、Novartis Vaccines and Diagnostics(ワクチン診断薬部門)の一部を構成してきた。同部門は、核酸検査、血液検査製品および免疫測定試薬などで国際的に輸血の安全性向上に寄与してきた。同輸血診断部門は本社をカリフォルニア州エメリービルに置き、2012年の売上は5億6500万ドルだった。
ノバルティス社のJoseph Jimenez CEOは、「わが社の輸血診断部門の売却により、我々は戦略的ビジネスに一層集中できるようになる。私は、特にGriflos社との合意によって、我々の仲間がこれら戦略的ビジネスを積極的に成長させることに特化できるような1企業(売却後のノバルティス)に参画できる機会が生まれたことに喜んでいる」とコメントした。
戦略的ビジネスとは、医療用医薬品(新薬)事業、後発医薬品事業(サンド)および眼科事業(アルコン)とみられるが、Jimenez CEOは、同社が、まず輸血診断部門を売却、スリム化することで、中核事業である後発品事業を含む医療用医薬品事業などに特化する方針を示したと言えそうだ。同社は、これら事業のほかに、ワクチン診断薬事業、OTC事業、動物薬事業がある。