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武田薬品 初の外国人社長誕生へ GSKワクチンのウェバー氏を招へい 新興国事業を加速

公開日時 2013/11/30 11:35

武田薬品の長谷川閑史社長は11月30日、東京本社で緊急に会見し、グラクソ・スミスクライン(GSK)ワクチン社の社長兼CEOなどを現在務めているクリストフ・ウェバー氏(写真右)を、武田薬品の次期社長CEO候補として招へいすると発表した。ウェバー氏は14年4月までに武田薬品にCOOとして入社する。そして、6月開催の定時株主総会などの手続きを経て社長COOに就任し、長谷川社長が会長CEOとなる。そして、その後1年間の実績などを考慮のうえ、ウェバー氏が15年にも社長CEOになる予定だ。武田薬品の約230年の歴史の中で初めての外国人社長となる。

長谷川社長は会見で、ウェバー氏を招へいする理由について、今後の新興国での事業拡大や加速化を踏まえると、グローバルでの営業やマーケティングなどの経験豊富なウェバー氏が最適との認識を示し、「今後のグローバル戦略のさらなる強化とその展開の加速化に大いに貢献してもえると確信している」と語った。

武田薬品は新興国を中心に販路を持つナイコメッド社を2011年に買収するなどして、現在、世界70か国以上に自社販売網を持つ。長谷川社長は、「ウェバー氏とよく話し合わなければならないが、まず海外にフォーカスしてもらうことになる」と述べ、ウェバー氏への当面の期待は新興国での事業強化におけるリーダーシップであることを示した。

長谷川社長(写真左)によると、昨年から次期社長CEOの検討を始め、社内の日本人を含めて複数の候補者があがったという。会見での質疑で、社内の日本人候補者に適任者がいないからウェバー氏に決まったのかとの質問に対して、長谷川社長は「社内の日本人候補者が全然ダメと捉えていただきたくない」として、「それなりにしっかりと務められる人材はいると思うが、グローバルスタンダードとして少しバーを高くしてみると、(相対論として)まだ不十分なところがあった」「CEOというキーポジションにグローバル人材を持ってこないといけない。日本人だから、外国人だから、ということで意思決定を束縛させることではないのではないか」などと話した。

また、長谷川社長は自身が約11年間、社長業を務めたことに触れながら、「1人が長期にリーダーをやると、プラスとマイナスがあるが、マイナスの方が明らかに増してきた。ここで組織に新しいリーダーシップの血を入れて、組織全体に刺激を与える(ことが重要)」と語り、ウェバー氏のグローバルでの事業経験に期待を寄せた。

◎日本市場 ポストマーケティングの在り方見直しも

日本市場にどのような変革をもたらすかについては、「国内営業がもちろん問題を抱えていないわけではない」との認識を示したものの、岩崎真人医薬営業本部長がジェネラルMR(一般MR)とスペシャリティMRの体制について検討を進めているとし、「近い時期に新しいやり方を発表すると思う」と話した。ただ、ポストマーケティングやアウトカムスタディを日本などの単一国で行うとコストが割高になるとして、今回のウェバー氏招へいによるグローバル展開の加速化の中で、ポストマーケティングの在り方を再検討していくことになるとの見方も示した。

 

ウェバー氏の略歴
1993年 GSK入社(当時スミスクライン・ビーチャム)
2003年 GSKフランス会長兼CEO
2008年 GSKアジア太平洋上級副社長兼地域統括
2011年 GSKワクチン社社長兼CEO
フランス出身。47歳。

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