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【World Topics】ジャーナリズムと科学的知見:自閉症発症リスクをめぐって

公開日時 2014/07/14 03:50

新生児の10人に1人以上が自閉症と言われるアメリカでは、自閉症に関する報道に接する機会が多い。だが、メディアの報じる内容には偏りがあり、時に一般市民をまどわせる危険があるとして、プリンストン大学で脳科学および分子生物学研究に携わる研究者が独自の解析結果に基づいて警告を発した(医療ジャーナリスト 西村由美子)。

Sam Wang博士による研究は、自閉症の発症リスクについて、過去20年間に学術誌に発表され評価の定まった学術研究論文100本の研究結果と、2013年および2014年の2年間に自閉症について書かれた新聞や雑誌の記事400件をテキスト分析した結果を比較したもの。解析結果をまとめたのが下の図だ。


学会の定説では、自閉症の発症リスクが高いのは①一卵性双生児の一方が自閉症の場合(他方が発症する確率は36-95% )、②出生時の脳細胞の損傷(発症確率37%)、③二卵性双生児の一方が自閉症の場合(他方が発症する確率は31%以下 )
―である。ちなみに、近年ひろく一般の話題となっている「予防接種との関連」を証明した学術研究は存在しない。

一方、自閉症の発症リスクについて報じている一般紙/誌の記事では、予防接種との関連を示唆あるいはこれに言及する記事がもっとも多かった。実際には「予防接種との関連」を証明した学術研究は存在しないにもかかわらず、である。

ついで一般紙/誌の記事に多かったのは、学術研究でも実証されている双生児の発症リスクへの言及だが、このほかに、出生時の「両親の年齢(母親35歳以上、父親40歳以上の)」、また水銀等重金属についての言及も多かった。しかし、両親が高齢であることの、あるいは重金属の自閉症発症リスクは、いずれも3%以下と言うのが学会の定説である。




 

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