【World Topics】同性婚合法化の医療への影響
公開日時 2014/07/28 03:50
“June Bride”の伝統こそ過去のものだが、アメリカでは今でも夏の3ヶ月(6~8月まで)が最も人気のある結婚シーズンだ。この時期、ローカル紙には「結婚しました!」の広告記事がぎっしりとならぶ。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
6月最後の日曜日のニューヨークタイムズ紙に載った結婚広告は全部で23組、そのうち18組が男女のカップルであったが、4組は男性同士、1組は女性同士という、同性婚カップルであった。
同性婚の合法化がすすんだ影響は、生活のさまざまなところに表れてきているが、医療に関していえば、同性婚を合法と認めている州では、カップルが互いに「扶養家族」として相手の医療保険に容易に加入できるようになったことが最も大きいだろう。合法化以前のような面倒な説明や関係の証明などの手続きは必要なくなった。
医療現場への影響と言えば、外来での問診票の質問内容に変化がみられる。最近、筆者自身も経験した。問診票の項目には、喫煙の有無、飲酒の頻度と量、運動習慣の有無などと並び、性生活についての質問がある。「まだ性生活がありますか?」という質問に続いて設けられている、「性生活の相手は?」のサブクエスチョンに対する回答は1.異性、2.同性、3.両性、の3択となっていた。
最近、血糖値、コレステロールと並んで、どのような医療保険でも無料提供される予防的な血液検査の項目にHIVが取り入れられているのも、一連のトレンドであろう。