やり直し薬剤経済学(12)~確率的感度分析
公開日時 2014/08/30 00:00
クレコンリサーチアンドコンサルティング株式会社医療アセスメント研究部小林慎モデルには様々なパラメータが設定されており、個々のパラメータに対する感度分析では費用対効果に関する総合的な判断が難しい場合があります。今回は、複数のパラメータの不確実性を同時に評価する確率的感度分析について紹介します。1.Karnonらの感度分析これまでと同様に、Karnonら1)による心筋梗塞や脳卒中などの循環器系疾患予防におけるアスピリンに対するクロピドグレルの費用対効果分析を例に取り上げます。Karnonらはマルコフモデルを作り、クロピドグレルの費用対効果を評価しました。その結果、クロピドグレル予防群は総費用、総QALYともにアスピリン予防群よりも大きく、費用対効果の評価指標である増分費用効果比(ICER)は21...