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薬食審・第一部会 抗凝固薬リクシアナに「非弁膜症性心房細動患者の虚血性脳卒中発症抑制」などの適応追加了承

公開日時 2014/09/05 03:52

厚労省の薬食審医薬品第一部会は9月4日、新薬など8製品の承認の可否を審議し、いずれも承認を了承した。この中で、第一三共の経口抗凝固薬ファクターXa阻害薬リクシアナで非弁膜性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制などの適応追加が審議され、承認が了承された。緑内障、高眼圧症点眼液として新しい作用機序を有するRhoキナーゼ阻害薬のグラナテックも承認が了承された。いずれも9~10月には正式承認されることが見込まれる。

 

【審議品目】(カッコ内は成分名と会社名)

 

▽リクシアナ錠15mg、同30mg、同60mg(エドキサバントシル酸塩水和物、第一三共):「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制」の効能・効果を追加する新効能・新用量・剤型追加にかかわる医薬品。再審査期間は残余(平成31年4月23日まで)。海外での承認国はないが、1月に欧米で申請されている。

 

「下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」の効能・効果に追加された。リクシアナは、活性化血液凝固第Ⅹ因子を選択的かつ可逆的に阻害するXa阻害薬。非弁膜性心房細動患者は推定70万人で、その半数が抗凝固療法の対象と推測されている。静脈血栓塞栓症の推定患者数は3万8000人。

 

今回追加される適応への用法・用量は、体重60kg以下の場合30mgを1日1回、体重60kg超の場合は60mgを1日1回経口投与するというもの。なお、体重60kg超の場合も腎機能や併用薬に応じて30mgに減量する。

 

▽アリセプト錠3mg、同錠5mg、同錠10mg、同D錠3mg、同D錠5mg、同D錠10mg、同細粒0.5%、同内服ゼリー3mg、同内服ゼリー5mg、同内服ゼリー10mg、同ドライシロップ1%(ドネペジル塩酸塩、エーザイ):「レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。この効能で承認された国はない。

 

「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」の効能・効果に追加された。国内推定患者数400万人とされる認知症全体の中で、レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症に続いて多いタイプで、推定患者数は30~60万人程度。認知機能の異常に加え、手足のこわばりなどパーキンソン病と同様の運動障害が見られる。これまでレビー小体型認知症の適応で承認された医薬品はないが、臨床現場では同薬が適応外使用されていた実態があった。承認の条件に製造販売後臨床試験の実施が含まれている。

 

▽グラナテック点眼液0.4%(リパスジル塩酸塩水和物、興和):「緑内障・高眼圧症で他の緑内障治療薬が効果不十分または使用できない場合」を効能・効果とする新有効成分医薬品。再審査期間8年。海外での開発はない。

 

平滑筋細胞の収縮などの生理機能を担い、眼組織にも存在するRhoキナーゼを阻害する薬剤で、新しい作用機序の点眼液。シュレム管を介する主流出路からの房水流出を増加することで眼圧を下げると推定されている。既存薬が効果不十分または使用できない緑内障・高眼圧症患者は推定38万人程度とされる。

 

▽アイリーア硝子体内注射液40mg/mL、同注射用キット40mg/mL(アフリベルセプト〈遺伝子組換え〉、バイエル薬品):「病的近視における脈絡膜新生血管」の効能・効果を追加する新効能医薬品。再審査期間残余(平成32年9月27日まで)。欧米を含む29の国または地域で承認済みだが、この効能での承認はない。

 

「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫」の効能・効果に追加された。病的近視における脈絡膜新生血管の患者数は推定約15万人とされる。

 

▽ミダフレッサ静注0.1%(ミダゾラム、アルフレッサ ファーマ):「てんかん重積状態」の効能・効果を追加する新効能・新用量・剤型追加にかかわる医薬品。再審査期間4年。

 

麻酔前投薬などの適応で発売されているドルミカム注射液(アステラス製薬)と同成分。ドルミカムがてんかん重積状態に使用されている実態があり、アルフレッサがこの適応の治療薬として異なる濃度で開発した。

 

てんかん重積状態の適応を有するジアゼパム注射液などの既存薬は厳密な血中濃度の管理が必要で、承認後は第一選択薬となることが想定されている。推定患者数は年間5000人未満。

 

▽ホメピゾール点滴静注1.5g「タケダ」(ホメピゾール、武田薬品):「エチレングリコール中毒、メタノール中毒」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。米国やカナダで承認済み。

 

エチレングリコール、メタノールは誤飲や自殺企図などで摂取される場合があり、毒性から中枢神経障害や腎不全などの中毒症状が生じ、死に至る場合もある。この効能を有する医薬品がなかったため、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(未承認薬検討会議)で開発要請されていた。治験が困難なため、米国やカナダの承認申請資料から根拠資料がまとめられ、申請が行われていた。

 

▽ルティナス腟錠100mg(プロゲステロン、フェリング・ファーマ):「生殖補助医療における黄体補充」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間6年。米国や英国を含む36カ国で承認済み。

 

体外受精や胚移植など生殖補助医療では自然妊娠時に比べて胚移植後に黄体ホルモンが不足するため、その補充が必要となる。生殖補助医療は年間約24万回(周期)実施されており、出生児数は3万人程度とされる。この効能で承認されている黄体ホルモン製剤はこれまでなかった。

 

▽サイモグロブリン点滴静注用25mg(抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン、サノフィ):「肝移植、心移植、肺、肺移植、膵移植、小腸移植後の急性拒絶反応の治療」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間4年。欧米含む73カ国で承認済みであるが、急性拒絶反応の治療に関しては各国で承認範囲が異なる。

 

同薬は、「中等症以上の再生不良性貧血」や「造血幹細胞移植の前治療」などの適応を有するほか、腎移植後の急性拒絶反応の治療について承認されていた。追加される効能については、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(未承認薬検討会議)で開発要請されていた。症例数が限られていることや国内外での使用実態があることを踏まえ、既存データで申請が行われていた。
 

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