新型医療保険High-Deductible Plan 高額自賠責付医療保険
公開日時 2014/11/20 03:50
オバマケア全面施行とともに急速に市場に普及しはじめた新型医療保険がある。一般にHigh-Deductible Planといわれるタイプの保険で、月額の掛け金が安いかわりに高額の自賠責が付いている医療保険だ。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
https://www.healthcare.gov/glossary/high-deductible-health-plan/
説明を簡略にするためには、日本の医療保険ではなく、日本の自動車保険を思い浮かべていただくのがよい。日本でも、自動車保険にはたいてい「自賠責」がついている。保険によるカバーを受ける前に、まず自分で支払わなければならない費用負担だ。この自賠責が高ければ、月々の掛け金は安くなる。
アメリカでは医療保険は民間商品であるから、一般の損害保険等と同様に、この自賠責(Deductible)をつけることができる。オバマケアによる新規加入者のために保険会社がExchangeに並べた保険商品、とくに月額プレミアムの安い保険商品には、みな高額の自賠責がついていた。そして、オバマケアの加入者は月額プレミアムの安い(したがい高額自賠責のついた)保険をより多く選択・登録したのである。これがレンドセッターとなって、米国では、民間企業の従業員向け保険にもHigh-Deductible Planが 増加するきざしである。
一定内容の予防医療や健診などは初めから全額保険でカバーされることが決まっているので、自分の健康に自信があり、ほとんど医師や病院にかからなければ、結果的には月額プレミアムが安い方が経済的という選択だ。
だが、2014年にラインナップしたHigh-Deductible Planの自賠責は、従来よりも自賠責が高額であることが特徴だ。平均3000ドル程度、それを上回る商品も少なくない。このため、数年に一度、費用のかかる検査を受けなければならないような既往症を抱える患者が、その検査を先送りするようなケースも少なからず出てきているといわれ、問題となっている。
http://www.charlotteobserver.com/2014/10/17/5248238/high-deductible-insurance-plans.html#.VEPwVVaVj-Y