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抗PCSK9抗体evolocumab スタチン併用でLDL-Cを7割前後低下 日本人患者で

公開日時 2015/03/26 03:51

アステラス製薬と米アムジェンとの合弁会社アステラス・アムジェン・バイオファーマ(以下、AABP)は3月25日、今月20日に国内承認申請したLDLコレステロール低下薬で抗PCSK9抗体のevolocumab(一般名、開発コード・AMG145)の国内フェーズ3試験で、スタチン併用下でプラセボと比較して、LDL-Cを67~76%低下させたとの試験結果が得られたと発表した。最も頻度が高かった有害事象は鼻咽頭炎(evolocumab投与群16.8%、プラセボ投与群17.8%)、胃腸炎(同3.0%、1.0%)、咽頭炎(同2.5%、2.5%)だった。これは国内申請データで、第64回米国心臓病学会年次集会(ACC.15)で発表されたもの。

試験名はYUKAWA-2試験。二重盲検無作為化プラセボ対照多施設共同試験で、日本動脈硬化学会のガイドラインに基づき心血管系リスクが高いと判断され、脂質異常症または混合型脂質異常症を呈する日本人患者404例を対象に実施した。患者はあらかじめアトルバスタチン1日1回5mgまたはアトルバスタチン1日1回20mg投与のいずれかの基礎療法に割り付けられ、4週間の脂質安定期に移行。その上で、▽evolocumabを2週間に1回140mgを投与 ▽evolocumabを月1回420mg投与 ▽プラセボを2週に1回皮下注射 ▽プラセボを月1回皮下注射――の4治療群のいずれかに無作為に割り付けた。

主要評価項目は12週時点でのLDL-Cのベースラインからの低下率、および10週と12週時点のLDL-Cのベースラインからの平均低下率とした。

その結果、「evolocumabを皮下投与した場合、プラセボと比較して、用量の異なるアトルバスタチンの併用下で12週時点でのLDL-Cのベースラインからの低下率、および10週と12週時点のベースラインからの平均LDL-C低下率は67~76%だった」としている。

この結果について、アムジェンの研究開発Executive Vice Presidentで医師のSean E. Harper氏は、「スタチンは高コレステロール血症患者の治療に重要な役割を果たしているが、evolocumabを追加投与することで、スタチンでは十分な効果が得られない症例でもLDL-Cを低下させることが可能となる」とし、「我々はこの新たな治療薬を患者さんに届けられるよう、日本の当局との連携を積極的に進めるつもり」とコメントしている。

evolocumabはアムジェンが創製した遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体で、日本ではアステラスとAABPが共同開発した。承認を取得した際は、流通・販売をアステラスが行い、アステラスとAABPで共同販促する。標的のPCSK9は、血中のLDL-Cに影響を与えるタンパク質で、血中の過剰なLDL-Cを取り込むLDL受容体の分解を促進する働きがある。同剤はこの働きを抑制して血中の過剰なLDL-Cを取り込みできるようにする。抗PCSK9抗体は日本でサノフィなども開発しているが、今回が最初の申請とみられる。

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