協和キリン 抗OX40ヒトモノクローナル抗体・ロカチンリマブの臨床試験を全て中止 新たな懸念を確認
公開日時 2026/03/05 04:49
協和キリンは3月3日、現在実施中の抗OX40ヒトモノクローナル抗体・ロカチンリマブの臨床試験を全て中止すると発表した。最新の安全性レビューにおいて、ウイルス性または免疫関連の関与が疑われる悪性腫瘍に関する新たな懸念が確認された。協和キリンと米アムジェンは、対象となる患者集団において想定される同剤のベネフィットに対し、潜在的なリスクが上回る可能性があると判断し、同剤の臨床試験の中止を決断するに至った。
ロカチンリマブは協和キリンの自社創製品。中等症から重症のアトピー性皮膚炎、中等症から重症のコントロール不十分な喘息および結節性痒疹を対象疾患として評価が進められていた。2021年にアムジェンと共同開発・販売に関する契約を締結したが、26年1月30日に米アムジェンとの開発・商業化に関する提携を終了すると発表。協和キリンが単独で開発や商業化に向けたプログラムを進めるとし、製造は引き続きアムジェンが担うことになっていた。
◎ウイルス性または免疫関連の関与が疑われる悪性腫瘍に関する新たな懸念
今回の臨床試験中止について協和キリンは、「ここ数週間にわたり実施された最新の安全性レビューにおいて、ウイルス性または免疫関連の関与が疑われる悪性腫瘍に関する新たな懸念が確認された」と指摘。以前に確認されたカポジ肉腫の1例に加え、新たに確定診断された1例と疑いのある1例が含まれており、「OX40 経路の調節との間に機序的関連が存在する可能性を示唆している」と説明している。また、プログラム全体における悪性腫瘍の発現件数は予想される自然発現率を下回るものの、「これらの症例の特性を踏まえると生物学的に妥当な懸念が生じ得ることは否定できない」と強調した。
◎アブドゥル・マリック社長COO「非常に残念な結果」 評価完了後に追加情報を提供
協和キリンのであるアブドゥル・マリック代表取締役社長COOは、「非常に残念な結果」と述べると同時に、「本プログラムから得られた知見は、OX40経路のより広範な理解と今後の研究活動に有意義に貢献するものと考えている」と強調した。同社は、米アムジェンと全データセットの包括的な解析を実施し、評価完了後に追加の情報を提供するとした。