MRの歴史を知れば、変化に対応する勇気が湧いてくる
公開日時 2016/01/31 00:00
情熱的読書人間榎戸誠一時代前のMR「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があるが、MRがMRの歴史を学ぼうとしても、そういう書籍はなかなか見つからない嫌いがあった。今回出版された『MR人生の裏おもて――理念と現実の狭間に生きた男の独り言』(有馬康雄著、薬事日報社)は、一時代前のMR活動を知るのに恰好の書である。最強MR著者は私より4歳年上なので、著者が塩野義、私が三共と所属していた製薬企業は異なっていても、ほぼ同様のMR活動を経験している。当時は武田、三共、塩野義、田辺が業界の四天王と呼ばれていたが、病院担当MRとして最も優秀と折り紙が付けられていたのは塩野義のMRであった。本書に書かれている著者らの日々の研鑽ぶりを見れば、優秀なのは必然の結果と知れる。具体的な事例入社(1963年...