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【中医協薬価専門部会 12月26日 議事要旨 令和8年度薬価制度改革の骨子(案)について】

公開日時 2025/12/26 17:46
中医協薬価専門部会が12月26日に開かれ、令和8年度薬価制度改革の骨子(案)について議論した。本誌は、診療・支払各側委員の質疑の内容を議事要旨として公開する。



城山部会長:ただいまより第245回中央社会保険医療協議会薬価専門部会を開催いたします。本日は「令和8年度薬価制度改革の骨子案」について議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。

(事務局説明 略)

城山部会長:はい、どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明に関してご質問、ご意見等ありましたら、いただければと思います。江澤委員お願いします。

江澤委員:それでは資料「薬―1」(令和8年度薬価改定について)6ページ(市場拡大再算定の類似品への対応)の対応案についてコメントさせていただきます。以前、この「共連れ」に関する論点を議論した際に、類似品としての適用を除外する領域について、基準あるいはルール設定が必要ではないかと提案したところでございます。

ただ、「共連れ」のルールができた当時とは異なり、現在のように同じ作用機序であっても、さまざまな効能が追加される薬品が現れてきた状況では、類似品の範囲をあらかじめルール化することは難しいということであれば、今回の対応案のように、一旦、「共連れ」の扱いは廃止して個別に販売額を把握するということもあり得るかとは思っております。

もっとも、この「共連れ」ルールが導入された趣旨は、公平性の観点から市場で競合する品目については同様に扱うということであったはずですので、廃止した場合に、市場での公平性にどのような影響が生じるのかについては、しっかりとフォローする必要があると考えております。

続きまして資料「薬―2」(令和8年度薬価制度改革の骨子案)につきまして、令和8年度の薬価改定に向けた我々の意見につきましては、これまでの審議の中で概ね主張してきた通りでございます。事務局におかれましては、各論で申し述べた要望も踏まえつつ、薬価算定基準の見直しに向けて、具体的なルールの見直しに向けた作業を進めていただければと思います。私からは以上でございます。

城山部会長:はい、どうもありがとうございました。他いかがでしょうか。森委員お願いします。

森委員:はい、ありがとうございます。ご説明ありがとうございました。内容については、おおむね異論がございません。その上で1点、事務局に教えていただきたい。資料「薬―2」10ページ目の(4)のイノベーションの適切な評価のところに米国の最恵国待遇政策について出ていますけども、日本への新薬導入にどのような影響が考えられるのか。また、この価格政策がどのようなものか。もし、現時点で分かっていることがあれば、教えていただきたいというふうに思います。

城山部会長:はい。この点はご質問かと思いますので事務局の方からいかがでしょうか?

事務局:医政局医薬産業振興・医療情報企画課長です。いまご指摘いただいた点につきまして現状を申し上げますと、まずは米国政府の方から欧米の製薬企業17社に対して、米国における医薬品の価格を他の先進国と比較をして、いわゆる最恵国待遇価格まで引き下げることを求める書簡が送られております。これに対して現時点で14社が合意に達したというふうに承知をしております。

基本的な内容はメディケイドにおいてMFN価格、最恵国待遇価格で提供するといったことや、今後発売する新薬についてはMFN価格を設定することなどというふうに報道されております。いずれにしましても詳細については明らかにされておりませんし、企業間でも若干の違いがあるように承知しております。

また、これら個別企業の取り扱いとは別にメディケイド、メディケア向けにMFNに関するいくつかのモデルプログラムが公表されておりますが、こちらにつきましてもベンチマークする価格の算出方法などに違いがあるものというふうに承知をしております。

質問のあった日本への影響につきましては、あの11月5日の中医協薬価専門部会でご報告をさせていただきました官民協議会ワーキングループの議論の整理におきましても、日本での薬価が米国での価格に波及する可能性を懸念して、新薬導入に慎重になることでドラッグ・ラグ/ロスが拡大するリスクがあるといった意見があったところでございます。

こうしたことを踏まえまして、引き続き情報収集分析に努めてまいります。状況の進展に応じて機動的に対応できるように検討してまいりたいと考えております。以上です。

城山部会長:いかがでしょうか。

森委員:ありがとうございました。ドラッグ・ロス等のリスクがあるということですので、注視していきながら革新的新薬の薬価の在り方について検討することが必要だと考えます。私からは以上です。

城山部会長:はい、ありがとうございました。他いかがでしょうか。松本委員お願いします。

松本委員:はい、ありがとうございます。まず、資料「薬―1」ですけれども、これについては大臣折衝のご判断というのも重く受け止めまして、資料「薬―1」の6ページに示されております対応案を了解したいというふうに考えます。

「共連れ」の廃止に伴い、類似品を四半期再算定の対象とすることは、国民負担の軽減に向けた政府の配慮だと受け止めております。この追加等の有無にÑDBで使用量を把握し、企業に該当した場合には、速やかに薬価を引き下げるべきだというふうに考えます。

続きまして、資料「薬―2」の骨子案でございますけれども、示されました骨子案の通り基本的に進めていただきたいと思います。その上で、2点コメントしたいと思います。

まず資料「薬―2」8ページ目の最低薬価についてでございますが、一律の引き上げではなく、令和6年度薬価調査における最低薬価品の平均乖離率12.1%を超えた品目を除外することは、市場での価格交渉の関連を考慮した妥当な対応だと受け止めております。

医薬品の安定供給のために薬価を下支えする必要性は十分に理解をしておりますが、前回改定で最低薬価が引き上げられ、厚生労働省からも適正な価格で流通するように事務連絡が出たのにかかわらず、業界ヒアリングの説明にあったように、いまだに総価取引が行われ、その結果、全品目の平均乖離率を超える7.3%の乖離になっていたことは、極めて不適切と言わざるを得ません。

今後も繰り返されることのないように、適正な価格での取引の徹底を売り手、買い手の当事者が双方にお願いをしたいと思います。

次に資料「薬―2」10ページにあります診療報酬改定の無い年の薬価改定につきましては、大臣折衝を踏まえ、令和9年度の着実な実施を明確にすることに賛同するものでございます。

大臣折衝でもありました物価賃金の適宜適切な報酬措置は、保険料負担の抑制が前提であると考えておりますので、令和9年度薬価改定に向けた議論が円滑に進むことを期待しております。私からは、以上でございます。

城山部会長:はい、どうもありがとうございました。他いかがでしょうか?はい鳥潟委員お願いします。

鳥潟委員:はい、ありがとうございます。こちらについてですが不採算品再算定について、供給改善に寄与するもののみを対象とするべきと繰り返し申し上げてきたところであり、今回示された骨子案はそういった考え方で整理されたものと捉えております。

今般の薬価制度改革で不採算品再算定の対象となった品目について、供給状況やシェアがどのように変化したのか、今後是非ともお示しいただきたいと考えております。また、最低薬価の引き上げは物価高騰を踏まえたものであり、価格の調整弁とならないよう、販売価格に適切に反映されることを、今後、確認していきたいと考えております。私からは、以上です。

城山部会長:はい、どうもありがとうございました。他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。本案を中医協総会に報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(各側了承)

城山部会長:はい、どうもありがとうございました。それでは、そのようにしたいと思います。他にご意見がないようでしたら、本件につきましては、ここまでにさせていただきたいと思います。本日の議題は以上でございます。次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。それでは本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
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