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医療ビッグデータ・コンソーシアム 電子カルテ情報を共有クラウドに集約、まずは地域・エリア単位で

公開日時 2017/02/07 03:51

産官学政の有志で構成する「医療ビッグデータ・コンソーシアム」(代表世話人統括:本庶佑・先端医療振興財団理事長)は2月6日、病院の電子カルテや検査・画像情報などを地域・エリア内の他の病院やクリニックと共有化する「次世代病院医療情報システム」を構築し、そこで得られた実臨床データを医薬品の市販後調査(PMS)などに利活用することを目的とした「政策提言2016」を発表した。同コンソーシアムは2月2日に首相官邸に安倍首相を訪ね、政策提言2016を手渡した。

同コンソーシアムは医療情報が抱える課題の解決型提言組織として14年11月に発足した。企業会員は計18社で、製薬からは武田薬品、第一三共、アステラス製薬、中外製薬、参天製薬が名を連ねている。

同コンソーシアムは政策提言2016の中で、「次世代病院医療情報システム(Next Generation Hospital Information Systems(NHIS))を提案した。“プライベートクラウド”と呼ぶ特定の関係者しかアクセスできないクラウドサーバーを用いて複数医療機関から標準化された電子カルテ、レセプト、検査・画像データなどを一元集約化し、民間を含め利活用できるようにするというもの。クラウドサーバーを活用することで、病院の初期投資やメンテナンス費用を30%程度抑制できる。

日本は電子カルテの普及が諸外国に比べ遅れており、医療情報の共有化実現に向けた障壁に位置付けられている。政府の「日本再興戦略」(2015年改訂版)でも、電子カルテの普及や地域医療情報の連携を2020年までの集中改革期間に定め、基盤整備を進める方策が明示されている。今回の政策提言も、これら政府方針に沿った施策として、システムに参画する病院の初期投資を一定程度抑制できる、診療情報共有クラウド型システムの導入を推奨した。

この日の記者会見に臨んだ同コンソーシアム代表世話人でデジタルプラネット代表(地域医療機能推進機構IT担当前理事)の中村重郎氏は、次世代病院医療情報システムの導入プロセスに関し、すでに地域単位での導入について問い合わせを受けたことを明らかにした上で、「地域医療にとって非常に革新的なアイディアだと思う。おそらく実現性としては地域でクラウドとしてつながること」と指摘。厚労省の推し進める地域包括ケアシステムの流れと合致することから、「(地域の)クラウドごとにつなげるというのが非常に有効な方法」とも話した。さらに次のステップとして、日本全国(オールジャパン)の医療情報の一元集約化に拡大する方策が望ましいとの見解を示した。

■「医薬品がどのように世の中で役に立っているか、かなりわかる」

政策提言2016では、収集された膨大な医療情報(医療ビッグデータ)の民間活用の一例として、医薬品の市販後調査(PMS)をあげている。この点について同コンソーシアム代表世話人で京都大大学院医学研究科 附属ゲノム医学センター長の松田文彦氏は会見で、「(医療ビッグデータの利活用で)一番すぐに効果が得られそうなのが、製薬企業の市販後調査。医薬品がどのように世の中で役に立っているのか、かなりのところがわかる」と述べた。

松田氏は会見後、本誌に対し、各医療機関の電子カルテ情報を一元的に収集・分析できると、特に安全性の分析がエビデンスに基づいてより詳細に行えるとの見方を示し、「重篤な副作用が出た背景や、別の薬剤に切り替えた際の経過もわかる」と話した。

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