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キョーリン製薬HD・18年度決算 3期ぶりに増収増益 “キプレスクリフ”から脱却

公開日時 2019/05/14 03:51
キョーリン製薬ホールディングス(HD)は5月13日、2019年3月期(18年度)の連結業績は売上1136億円(前期比2.7%増)、営業利益90億円(同1.7%増)となるなど増収、各利益段階で増益だったと発表した。16年度に後発品が参入した気管支喘息治療薬キプレスの“パテントクリフ”以降、減収減益が続いていたが、18年度は3期ぶりに売上、利益ともプラスに転じた。主力の喘息薬フルティフォームの伸長や、アレルギー性鼻炎治療薬ナゾネックス点鼻液の独占販売の開始がV字回復の主因となる。

花粉症シーズンの到来直前となる19年1月に自主回収となった新規の抗アレルギー薬デザレックスの18年度売上は37億円にとどまった。当初、81億円の売上計画を立てていた。まだ供給再開をしていない。

この自主回収は、同剤の製造販売元のMSDが同剤の原薬保管施設の外国製造業者認定を取得していなかったことによるもの。使用期限内の全ロットを対象に自主回収することになった。この影響をキョーリン製薬HDが受けた格好で、同社は損害の補償や回収費用などについてMSDと協議するとしていた。

キョーリン製薬HDの伊藤洋・上席執行役員は同日、業界誌・紙を対象とした決算説明会で、18年12月までの同剤の売上は48億円だったが、18年度売上は結果として37億円であり、差し引き11億円の損失が発生したと説明した。そして、「この回収に伴う実損分はMSDに対応してもらい、今期(18年度)の数字におり込んだ」とした。

本来販売していたら得られていた収益に対する補償に関しては、「MSDとは長い間の信頼関係に基づく、パートナーシップ関係にある」とした上で、「中長期的な対応をいただくということで協議している」と語った。詳細は明かせないとしたが、両社ともにメリットのある中長期的な視点での対応をしていくことになると説明した。

デザレックスの供給再開時期は「明確には答えられない」と明言を避けたものの、19年度計画では売上80億円を見込んでいる。来年の花粉症シーズン前までに供給を再開する意向とみられる。

■19年度にナゾネックスAG投入

18年度の医療用医薬品事業の売上は1079億円(同3.1%増)。このうち国内の新医薬品事業は785億円(同1.9%増)、後発品事業は293億円(同5.8%増)――だった。フルティフォームは売上131億円(9.8%増)、18年8月から傘下の杏林製薬が独占販売を始めたナゾネックスは128億円を売り上げ、これらが業績をけん引した。

19年度計画をみると、医療用医薬品事業は売上1080億円(同0.1%増)を見込む。国内の新医薬品事業は売上744億円(同4.2%減)と減収計画である一方、後発品事業は売上322億円(同9.8%増)と増収を見込む。これは、同社グループが承認を取得しているナゾネックスのオーソライズドジェネリック(AG)を投入することが理由となる。19年度のいつナゾネックスAGを投入するかは明らかにしていない。

なお、19年10月の消費税率引き上げに伴う薬価改定影響は今回の計画におり込んだが、詳細は非開示としている。

■キョーリン製薬HD 社長に創業家の荻原豊氏就任へ

キョーリン製薬HDはこの日、創業家の荻原豊・常務取締役が代表取締役社長に就任するトップ人事を発表した。6月21日開催予定の定時株主総会とその後の取締役会を経て、正式に決定する。穂川稔社長は代表権のある会長となる。

同社によると、4か年の現中期経営計画が19年度に最終年度を迎え、次の中期計画は新体制で検討、推進した方が良いとの判断からトップ交代する。トップが創業家に戻るのは4代ぶり。

杏林製薬もトップ交代する。穂川社長の後任に、荻原茂・常務取締役が就く。同じく6月21日開催予定の株主総会などを経て正式に決定する。穂川氏は代表権のある会長となる。

【荻原豊氏 略歴】
90年4月に杏林製薬入社。キョーリン製薬HDの社長室長などを歴任後、16年6月に常務取締役(現任)、19年4月に常務取締役経営戦略室長 グループ情報システム統括部担当(現任)。青山学院大理工学部卒。東京都出身。51歳。

【荻原茂氏 略歴】
79年4月に杏林製薬入社。創薬本部長、わたらせ創薬センター長、キョーリン製薬HD常務取締役グループ知的財産統轄部担当などを歴任後、17年6月に同HD常務取締役グループ知的財産統轄部・研究開発担当(現任)、杏林製薬常務取締役創薬本部長 知的財産部担当(現任)。東京薬科大薬学部卒。長野県出身。62歳。

【18年度連結業績(前年度比) 19年度予想(前年度比)】
売上高  1136億2000万円(2.7%増) 1141億円(0.4%増)
営業利益  89億7200万円(1.7%増) 91億円(1.4%増)
親会社帰属純利益 68億6900万円(4.5%増) 71億円(3.4%増)

【18年度の国内主要製品売上高(前年度実績) 19年度予想、億円】
フルティフォーム 131(119)140
デザレックス 37(49)80
キプレス 138(188)106
ナゾネックス 128(-)62
ウリトス 66(72)60
ベオーバ 7(-)25
ペンタサ 135(153)120
ムコダイン 68(87)60
キプレスAG 119(117)116
ジェネリック計 293(277)322
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