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卸連・国際委員会 信頼性の高い日本の流通構造維持を 返品に課題も 偽造品流通防止で

公開日時 2019/11/12 03:50
日本医薬品卸売業連合会(卸連)の国際委員会は11月8日、第5弾となる報告書「医療用医薬品の流通の安全性と品質確保に関する国際比較」を公表した。報告書では、「日本の医療用医薬品の単層の流通形態が不良・偽造医薬品の流通経路への混入防止に貢献している」と指摘。「広く医療関係者と共有し、将来にわたりこの流通構造を維持することが必要」と取りまとめた。「安全を失った場合の修復には多大な社会コストを要することを海外の事例から学ぶべき」として、皆保険である国内の制度維持の重要性を訴えた。一方で、返品やオンライン診療などが偽造品の入り込むリスクとなる可能性を指摘し、対応を求めた。

偽造品流通問題をめぐっては、欧米と異なり、国内ではリスクが少ない状況にこれまではあった。それだけに、2017年にC型肝炎治療薬・ハーボニ―配合錠の偽造品が患者の手に渡り、社会問題化し、流通当事者に大きな衝撃を与えた。現在国会で継続審議中の改正医薬品医療機器等法案(改正薬機法案)に、トレーサビリティが盛り込まれる一つのきっかけにもなった。この原因について報告書では、二次卸、三次卸が存在する“多段階流通”が課題と指摘。欧米の偽造品対策を引き合いに、国内の「単層」の流通形態の維持の重要性を強調した。

◎欧州では並行輸入 米国ではリパッケージとオンライン薬局が偽造品の要因

報告書では、欧米の状況を紹介。並行輸入が偽造品流通の主な要因となっている欧州では、加盟国共通ルールであるFMD(偽造医薬品指令)を2011年に発出した。薬局で正規の医薬品か照合することを義務付けたほか、製薬企業に対して、医薬品の販売包装単位で、2次元バーコードの義務化や、包装の開封を知るための改ざん防止措置を行うことを求めた。医薬品卸に対しても、並行輸入や返品などでのバーコード照合を求めている。

一方、米国では、リパッケージ専門業者とオンライン薬局が偽造品混入の主な要因と指摘した。2013年に制定されたDSCSA(医薬品サプライチェーン安全保障法)により、川上から川下まで所有権の移転ごとに販売履歴を管理するシステムを構築することとなった。真鍋雅信委員長は、「EUは実用的なリスクベースのアプロ―チで流通過程における医薬品卸のデータ照合のコスト・負担が抑えられる。米国はより精緻なシステムで構築に手間がかかるが、そこから生み出されるデータの利活用の可能性がある」と、それぞれ医薬品卸としてのメリットをあげた。

◎国内は返品に課題 オンライン診療にも言及

そのうえで、国内の状況について、「正規の医薬品取引は単層構造であり並行輸入はほぼなく、かつ全国統一の規制で稼働している。安全性の確保のついては有利な立場にあるのではないかとの示唆が得られた」と述べた。一方で、返品で偽造品が紛れ込むリスクを指摘した。厚労省の医薬・生活衛生局は2018年8月に、医薬品の封かんについて、製造販売業者の責務として、「容易に原状に復することのできない仕様、隙間から内部に異物を混入させない仕様への早急な対応」が促されたが、「まだ対応は十分ではない」として業界をあげた対応を求めた。

このほか、薬機法改正でも焦点の一つであるオンライン診療についても言及。「普及に伴い、顔の見えない関係における医薬品取引が増加する恐れがある。それが不良・偽造医薬品の温床となることは明らか」と指摘。国民に注意喚起を促すことも提言した。

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