膵がん特有の性質にアプローチする新薬開発を
公開日時 2009/03/31 00:00
杏林大学医学部内科学腫瘍内科古瀬純司教授日本でも膵がんは確実に増えている。02年の罹患数は約2万1000人でがん全体では第8位、また06年の死亡数は約2万3000人で第5位を占める。早期発見が難しく、5年生存率は6.7%と、がんの中でも特に予後が悪く、難治がんの代表格だ。膵がん治療の現状と最近の動向、今後の展望などについて話を聞いた。なぜ早期発見が難しいのですか膵がんの場合、胃がんにおけるピロリ菌、肝臓がんにおけるB型・C型肝炎のように、ハイリスク群を設定することができません。リスク因子として糖尿病や喫煙、慢性膵炎や家族歴などがありますが、ハイリスクというほど相関は高くないため「条件を満たす人を集めて検査すればがんがたくさんみつかる」という設定ができないのです。また、特有の症状に乏しい、位置...