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【特別版】レムデシビル 重症の新型コロナ感染患者のP3で主要評価項目を達成 5日投与の有用性示す

公開日時 2020/04/30 04:53
ギリアド・サイエンシズは4月29日(米国時間)、重症の新型コロナウイルス感染症患者を対象とした抗ウイルス薬・レムデシビルのフェーズ3で主要評価項目を達成したと発表した。メーンの試験となる米国立衛生研究所(NIH)傘下の米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の主導する臨床試験で主要評価項目を達成したことも明らかにした。また、同社の進めてきたレムデシビルのフェーズ3では、投与期間が5日間の群と10日間の群に大きな差は認められず、5日投与のレジメンの有用性が示された。新型コロナウイルス感染症のパンデミック下で、短期間投与の有用性が示されたことは、病床の確保や薬剤の生産供給面に寄与する。医療資源を効率的に活用し、より多くの患者を治療できる可能性がある。

◎重症患者を対象に最適な投与期間の設定が目的

同社が進める臨床試験プログラム「SIMPLE」のうち、今回は重症患者を対象にしたデータが公表された。同試験は最適な投与期間を決めることを目的として、米NIHが進めてきた試験を補足する試験として計画された。副次的な目的には、副作用の発生率と、臨床症状改善の達成率の検討を据えた。

対象は、試験開始時に肺炎症状があり、酸素レベルが低下しているが、人工呼吸器などを必要としていない患者397例。標準治療をベースに、レムデシビル5日投与群200例、10日投与群197例に分け、解析した。臨床症状の改善は、医療機関からの退院や酸素化の改善、死亡まで7段階でわけたスケールの2段階以上改善と定義づけた。なお、今回の解析に日本人データは含まれていない。

◎5日投与群と10日投与群で有意差認めず 臨床的改善は5日投与群で64.5%

解析の結果、投与開始14日時点で、5日投与群と10日投与群で有意差は認められなかった(オッズ比:0.75、95%CI:0.51-1.12)。投与開始後14日時点で臨床的改善が認められたのは5日投与群で64.5%(129例/200例)、10日投与群で53.8%(106例/197例)だった(p=0.16)。退院した割合は、5日投与群で60.0%(120例/200例)、10日投与群で52.3%(103例/197例)で、両群ともに半数以上を占めた。一方で、死亡率は5日投与群で8%(16例)、10日投与群で11%(21例)だった。

イタリアを除いた死亡率は、7%(23例/320例)で、投与開始14日後に臨床的改善を認めたのは64%(205例/320例)で、61%(196例/320例)が退院した。

◎発症後10日以内の患者で改善傾向が強い

探索的にデータを解析したところ、発症後10日以内の患者で改善傾向が強い傾向も示された。退院した割合は、発症後10日以内の患者では62%で、それ以降の患者では49%で、早期治療の有用性も示唆された。


◎有害事象 グレード3以上は5日投与群で4%、10日投与群で10%


有害事象の発生率は5日投与群で71%(141例)、10日投与群で74%(145例)報告された(p=0.86)。グレード3以上の有害事象または副作用は5日投与群で4%(8例)、10日投与群で5%(10例)だった。重篤な副作用(SAE)は5日投与群で2%(3例)、10日投与群で2%(4例)だった。投与中断による有害事象は、5日投与群で5%(9例)、10日投与群で10%(20例)だった。

最も多く報告されたのは吐き気で、5日投与群で10.0%(20例/200例)、10日投与群で8.6%(17例/197例)だった。急性呼吸不全は5日投与群6.0%(12例/200例)、10日投与群で10.7%(21例/197例)だった。グレード3以上のALT値上昇が認められた症例は、5日投与群で7.3%(28例/385例)、10日投与群で3.0%(12例/397例)で、肝機能値上昇により、投与を中止している。

◎ギリアド・Merdad Parsey氏 パンデミック下で「より多くの患者の治療に寄与」


同社のMerdad Parseyチーフ・メディカルオフィサーは、短期投与の有用性が示されたことについて、生産量が限られ、患者が爆発的に増加するパンデミックのなかでの重要性を強調。「緊急治療を必要とするより多くの患者を医療機関や医療従事者が治療することに寄与する」とコメントしている。

同試験をめぐっては、人工呼吸器など機械的換気を必要とする患者を含む5600人を追加するように計画が変更された。日本を含む、米国、中国、フランス、ドイツ、香港、イタリア、韓国、オランダ、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾の180施設で試験が実施中だ。

◎中等度患者を対象とする試験結果は5月末に公表予定


また、中等度の患者を対象に標準との有効性、安全性を検討するもう1本のフェーズ3は、最初の600人の解析を5月末に公表する予定としている。(望月英梨)
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