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MDV DPCデータと健保データ、一つの画面で同時閲覧可 データの長所短所を相互補完

公開日時 2020/09/11 04:50
メディカル・データ・ビジョン(MDV)は9月10日、約3300万人分のDPC病院データと、約580万人分の健康保険組合(健保)データを、ひとつの画面で同時に閲覧・分析できるサービスの提供を開始したと発表した。DPCデータは年齢の偏りがない診療情報が得られる一方で、クリニックや転院先の情報は追えない。健保データは高齢者の診療情報は得られないが、GP/HP別や、マスキングした同一患者の転院先情報は追える。今回、長所短所が異なる2つのデータを一度に、グラフィカルに閲覧できるようにしたことで、同社は「新たな気付きが得られる」としている。

同社は、強みとする高度急性期や急性期を担うDPC病院の診療データに加え、今年から健保データの提供を始めた。健保データも取り扱うことで、中小病院や診療所の診療実態もカバーし、回復期や慢性期のデータを充実させた。現在、DPC病院データは423施設、実患者数3299万人分、健保データは111健保、実患者数585万人分――のデータを保有。2か月前のデータを用いて毎月、データベースを更新している。

■リリカとロキソニンの市場別の処方実態、一目瞭然に

同社はDPC病院データをもとに患者数、処方日数、処方量などを分析できるWeb分析ツール「MDV analyzer」に今回、健保データも搭載した。両データを一元管理し、ひとつの画面で同時に閲覧できるようにした。

例えば、疼痛薬リリカ(図の赤線)と消炎・鎮痛薬ロキソニン(図の青線)の処方患者数について、DPC病院市場ではリリカの処方は右肩上がりで、2015年の夏以降、ロキソニンより処方が出ていることがわかる(上図)。健保データを用いた主にクリニック・病院市場では、リリカの処方は漸増傾向にあるものの、処方自体はロキソニンの方が多い(下図)。これまではそれぞれのデータソースにアクセスし、それぞれのインターフェースで閲覧・分析する必要があり、非効率で、新たな気付きも得られにくい環境だった。MDVの新サービスはひとつの画面で一目瞭然に市場状況を把握できる。

MDVの中村正樹・取締役(EBM事業部担当)は同日のWeb会見で、「日本で診療・疾患情報を持つデータはほぼ当社でカバーできる」とした上で、「ひとつのツールで、ひとつの画面で、DPCと健保それぞれのデータを一度に見られるメリットは大きい。今までと比べものにならない“気付き”が得られるのではないか」と指摘。作業効率の改善や分析精度の向上のほかに、新たな調査・分析の企画立案にも貢献するツールだと自信を見せた。

また、中村取締役は、DPC、健保の両データを用いた地域別の処方動向調査について、個別に応じる考えも示した。地域フォーミュラリが導⼊されたエリアの処⽅実態の分析につながりそうだ。
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