日英経済連携協定の合意を歓迎 英国製薬工業協会
公開日時 2020/09/17 04:48
英国製薬工業協会(ABPI)は9月11日、日英両国が、同日、日英経済連携協定(EPA)で合意したことを受け、これを歓迎する内容の声明を発表した。
EPAの合意により、Brexit(英国のEU離脱)に伴い、医薬品にかかる日本EU相互承認協定(MRA)は現在2020年12月末までの移行期間中にあるが、日本EUMRAの内容が日英EPAのなかに組み込まれる予定のため、日英両国は医薬品輸出前の相互の医薬品安全性試験やGMP査察などを受け入れることを続行できる。そのため、医薬品にかかる試験の不必要な重複や患者アクセスを妨げるサプライチェーンへの障害や遅延を回避できることになる。
ABPIのClaire Machin国際政策部長は、「日英経済連携協定は、我々が移行期間の終了に向け準備に集中するべきときに医薬品業界においてのビジネスに実際に必要な継続性を与えてくれるものだ」と同合意を歓迎した。そのうえで、「これらの早期の合意は、政府が、イノバティブな英国医薬品産業を支援しR&D投資を促進し、ライフサイエンスにおけるリーダーとしての英国の役割の強化するために将来の貿易についてのアジェンダ(テーマ)を策定する機会を与えてくれる」とコメントした。
ABPIは、日本と英国を世界のライフサイエンス産業で最も進化したハブ(中核)と位置づけ、人の一生を変えるような医薬品やワクチンの次世代製品を研究するイノバティブな医薬品企業の本拠地とみている。
2019年には、英国は、233億ポンド(3兆1455億円:1ポンド=135円換算)相当の医薬品を輸出、3.3%(7億6000万ポンド、1026億円)が日本向けである。英国から海外に輸出する金額では、日本は3番目の位置を占めている。