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日医工・田村社長 度重なる自主回収を謝罪 富山第一工場の「全データの調査は完了」

公開日時 2020/11/13 04:52
日医工の田村友一代表取締役社長は11月12日、2021年3月期(20年度)第2四半期の決算に臨み、4月以降の度重なる自主回収について謝罪した。田村社長は、問題のあった富山第一工場について「全データの調査は完了している」と説明。「今後は、これまで以上の時間とパワーを傾けて品質改善を行っていく」と誓った。また、品質方針「安心と信頼への約束」を定めるなど、ガバナンスを強化していることも説明した。「この間、私たち日医工にとって最も大切なものは何かを学ぶ機会となった。安心と信頼への体制づくりにワンハート、ワンビジョン、ワン日医工で取り組みをスタートさせている」と述べた。同社の富山第一工場で製造した品目で、承認書に記載のない工程の実施や、試験記録の不備などが判明し、4月以降、24成分、延べ35品目を自主回収するに至っている。

田村社長は会見冒頭で、自主回収について、「患者様、医療機関、卸、製薬企業の方々に多大なるご迷惑をおかけしていることを心よりお詫び申し上げる」と謝罪した。

◎ワンハート、ワンビジョン、ワン日医工で取り組む 安心と信頼へ

富山第一工場で製造する全476品目、使用期限内の約1万7000ロットの信頼性を確保するために、3月以降、製品の出荷当時の試験記録や方法の適切性を確認し、課題のあった製品については、製造記録と試験記録の調査を実施してきた。さらに、市場にある全製品ロットの経時的に記録された試験結果の調査も10月までに完了。モニタリングや長期安定性試験、参考品を用いた品質検査を継続しているという。田村社長は、「承認書に記載のない工程や承認書に不備のあるものを回収するような事例は、今後発生させない」と力を込めた。

さらに、社内でのガバナンスも強化。田村社長自らが、コンプライアンス管掌となるなど、人事育成や品質管理体制の組織づくりに注力してきた。取締役や執行役員にもGMPの理解を深めてもらうなど、「品質を優先する企業文化の構築への取り組みを進めている」と強調した。また、同社の創立記念日である今年7月15日に、新たな“品質方針”を策定した。品質方針は、従業員一人ひとりが法令を遵守するなど、個々の社員に自覚と責任を持った行動を促す内容となっている。

田村社長は、「4月以降、多くの医療機関、お取引さまから厳しいお叱り、ご指導をいただいた。一方で、たくさんの取引さまから涙が出る温かい応援もいただいている。この間、私たち日医工にとって最も大切なのは何か学ぶ機会となった」と話した。そのうえで、安心と信頼への約束のもと、長期ビジョンに掲げる「患者様の病気と気持ちに寄り添うジェネリック医薬品メーカー」となるため、「全社員一人ひとりが、新しい品質方針に署名し、安心と信頼への体制づくりにワンハート、ワンビジョン、ワン日医工で取り組みをスタートさせている」と語った。

7月には、田村社長自身も月額報酬50%12か月減俸するなどの処分を発表した。11月9日に発覚した6成分7品目の自主回収はその後に発覚している。今後の説明責任について田村社長は、「私を含めた取締役、担当執行役員の報酬減は、あくまで処分であって責任とは違う。責任とは、現在の品質を改め、強い会社にすることだ。それが、私を含めた取締役の職務だと考えている」と決意を滲ませた。

◎2020年度第2四半期業績 営業利益は86.1%減 通期業績の営業利益は未定

2021年3月期(20年度)第2四半期の売上高は前年同期比2.1%減の896億3100万円。営業利益は86.1%減の5億2300万円の減収減益となった。特に、国内では、薬価改定や、新型コロナウイルス感染症の拡大による受診抑制が響き、前年同期比5.9%の減収となった。4月の自主回収で現在も欠品中の8成分9品目の売上による20億円の減収も影響した。21年3月期の通期業績予想も1900億円(期初:1990億円)に下方修正した。田村社長は、「既存品の採用には大きな変化はないが、追補品の新規採用はいったん見合わせるという医療機関があるのも間違いない」と、自主回収の影響があることも口にした。通期の営業利益や純利益は、武田テバのジェネリック事業の譲渡を不透明要因にあげ、「未定」としている。

◎DXに注力 12月にオンライン診療に参入へ 早くもLINEドクターを意識

コロナ禍で、デジタル化推進の必要性が指摘されるなか、DXに注力する。今年9月には、メドピアとの合弁会社「ニチメッド」を立ち上げた。両社は19年11月に、かかりつけ薬局支援サービス、今年9月には、かかりつけクリニック支援サービス「kakari for Clinic」の提供を開始するなどしており、取り組みを加速させる。同社の営業本部内に立ち上げたDX事業部の専従社員12人、10支店300人のMRと連携し、浸透を進める考え。

12月には、オンライン診療にも参入する。「強敵」と名指ししたLINEドクターのサービス開始を見据え、11月中にはサービス内容を発表する考えも示した。田村社長は、既存サービスとあわせて、「かかりつけクリニック、かかりつけ薬局との連携、診療から服薬フォローまでサポートするプラットフォーム」とする考えを示した。「かかりつけ薬局、かかりつけ医との連携を相互にサポートできる立場にある」と同社の強みを語り、「まずクリニックのPR、患者と医療従事者の双方向のチャット、診療予約を武器に、オンライン診療、その他の機能を備えて、強敵であるLINEドクターと対峙していきたい」と意気込んだ。

【2020年度第2四半期連結業績(前年同期比) 20年度予想(前年同期比)】

売上高 896億3100万円(2.1%減) 1900億円(0.0)
営業利益 5億2300万円(86.1%減) ―(―)
親会社帰属純利益 1億4600万円(95.1%減) ―(―)

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