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東京都医師会・尾﨑会長 年末年始は「真剣勝負の3週間」 通常診療が本当にダメになる瀬戸際だ

公開日時 2020/12/23 04:51
東京都医師会の尾﨑治夫会長は12月22日の緊急記者会見で、都内の新規陽性者数の報告が後を絶たない新型コロナウイルス感染症について、これからの年末年始を「真剣勝負の3週間」と位置づけた。尾﨑会長は「少人数の静かな会食を除き、仕事が終わったらまっすぐ家に帰っていただきたい。特に大人数の宴会は控えて欲しいと切に願っている」と、都民一人ひとりに呼び掛けた。猪口正孝副会長は医療提供体制の警戒レベルを最高のレベル4(赤色)に引き上げたことを報告。「このままの予測値でいくと確実に3000床で用意していたベッドが足りなくなる。将来的にほぼ確実に足りなくなることが分かった」と医療崩壊への警鐘を鳴らした。

◎「皆さんの手で感染者を減らしましょう」尾﨑会長

尾﨑会長は会見で、「本当に、この3週間がラストチャンスだと思っている」と強調した。このままのペースでいくと新規陽性者数が1日1000人超も現実味を帯びると指摘する。加えて、冬場の季節性を考えると、脳卒中、心筋梗塞、大動脈疾患、肺疾患など新型コロナ以外の一般患者が増加することも分かっている。尾﨑会長は、「通常診療が本当にダメになる瀬戸際だ」と強調。「皆さんの手で感染者を減らしましょう」と都民に対し協力を要請した。

一方、前日、医療関係9団体で「医療緊急事態宣言」を発表したことに触れた。尾﨑会長は「政府に緊急事態宣言を出してくれと言っているわけではない」としながらも、「どうしたら本当に有効で実践的な効果のある対策・政策が取れるのかを真剣に考え、声明を出して欲しい。そして国民、都民に訴えかけていただきたい。それがあれば私共も一生懸命頑張るつもりでいる」と強調した。

◎猪口都医副会長「なかなか切迫してきている」 患者を減らす努力を

猪口副会長は東京都の新規陽性者数の見通しについて、大晦日で900人、年越しで1000人という数字が現実味を帯びることに強い警戒感を示した。また、都内の医療提供体制について「確実に用意したベッド(3000床)が足りなくなる」と指摘。「入院ベッドの稼働率が85%~95%になると、次の患者さんに入院してもらうのにエネルギーがいる」と述べ、目前に迫っている入院調整に、「なかなか切迫してきている」との厳しい見方を示した。

また病床を4000床まで増やすよう要望しているとしながらも、「一般医療の部分を使っていかざるを得ない」と指摘。「一刻一秒を争う救急患者が、本来一番近い病院に行けるところを隣の病院に行かざるを得ない、この差がたとえ5分であっても命取りになる可能性がある」と述べ、「この差で命取りになるという数字はまだ少ないが、局所で色々な悲劇がすでに始まっているのかもしれない」と危機感を募らせた。その上で「医療提供体制のひっ迫を回避するには患者を減らすしかない。是非、患者が減るような皆さんの協力をお願いたい」と訴えた。



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