中外製薬は２月17日、骨粗鬆症治療薬・エディロールの物質特許に基づき、沢井製薬、日医工、日産化学に対して東京地方裁判所に再度訴訟提起したと発表した。中外製薬保有特許の結晶形の生産と使用の差止め廃棄と損害賠償を求めている。また3社に対し、特許権侵害差止仮処分の申立てを行った。

同社は、2020年11月27日に提起した訴訟を戦略上の理由により、今年1月15日付で取下げ、２月17日に改めて提訴した。

エディロールの後発品は現時点で、沢井製薬と日医工のみが上市している。日産化学は、同後発品の原薬としてのエルデカルシトールの事業に取り組んでいる。 中外製薬は、沢井製薬と日医工が原薬の製造を日産化学に委託して原薬を購入して使用し、後発品を製造して販売しており、その際3社は、後発品の製造販売のため、中外製薬保有特許の結晶形を生産して使用すると認識しているとして、同社の保有する物質特許第3429432号の特許権を侵害すると主張している。なお、現時点で業績に及ぼす影響はないとしている。