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薬価算定組織 新薬創出等加算に効能追加の評価拡充を提案も支払側は慎重姿勢 高額薬剤への問題意識も

公開日時 2021/08/05 04:50
薬価算定組織(前田愼委員長)は8月4日の中医協薬価専門部会に、次期薬価制度改革に向けた意見書を示した。新薬創出等加算の対象品目に、新規収載時の有用性加算に相当する効能・効果が追加された場合を含めるなど、拡充することを提案したが、支払側は慎重姿勢を示した。このほか、診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)が、「高額かつ使用される患者さんの数が非常に多かったり、市場規模が大きくなってきたり、軽症から使用することが望ましいような薬剤」が登場することを指摘し、高額薬剤問題も議論すべきとの考えを示した。

薬価算定組織はこの日の中医協薬価専門部会に、「新規収載時には有用性加算等に相当する効能・効果等が追加された場合には、対象領域、市場規模等の一定の要件を付した上で、新薬創出等加算の対象とすることを検討してはどうか」と提案した。これに対し、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「新薬創出等加算は、真にイノベーションを有する品目に限定してつけるべき。新規作用機序以外でどのような事例があるのか想定できない。慎重に検討する必要がある」と指摘。支払側の安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)も、「見直しを行った場合にどれくらいの規模の対象拡大になるのかといった点も踏まえて、今後慎重に議論をしていくことが必要だ」と慎重姿勢を示した。診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「どのような品目が想定されるのかなどをもう少し具体的なイメージを共有できるよう今後を検討する際には資料をご用意いただきたい」と要望した。

◎薬機法上の特定用途医薬品・先駆的医薬品の評価は診療・支払各側が慎重姿勢

薬価算定組織は、医薬品医療機器等法(薬機法)で位置付けられた、特定用途医薬品と先駆的医薬品についての薬価改定の在り方も論点にあげた。これらの医薬品は、小児用法用量が設定されていない医薬品など、医療上のニーズが著しく充足されていない医薬品の研究開発を促進する観点及び画期的な新薬等の更なる迅速な実用化を図る観点から、薬機法上に位置付けられており、小児用医薬品や薬剤耐性菌治療薬が含まれている。

これに対し、診療・支払各側が、新たな評価には慎重姿勢を示した。診療側の城守委員は、「研究開発の促進、また優先的な取扱いなど薬事承認取得の後押しを薬機法で行うことと、薬価で評価することは別次元の話。小児や画期性について評価する現行の枠組みがあることを踏まえて、整理していただくということでよいのではないか」と指摘。支払側の幸野委員も、「いずれも単純に評価を引き上げるということではなく、現行の加算を踏まえてメリハリをつけることが前提」との考えを示した。先駆的医薬品に指定されたゾルゲンスマの審査期間が延びたことを引き合いに、「指定の取り消しが薬事のルールでも指定の取消が明確になった。先駆的医薬品に指定されたから自動的につくというわけではなく、審査の状況も踏まえてしっかり運用していただきたい」とも述べた。

◎原価計算方式 海外からの移転価格のルール化は診療・支払各側が同意

薬価算定組織は、「原価計算方式における開示率向上」も論点にあげた。「海外からの輸入製品を中心に全体の約半数は開示度 50%未満にとどまっており、その多くは移転価格として示されている」と指摘。海外からの移転価格については、他の国への移転価格を確認することによりその妥当性の確認を行っているが、「移転価格の妥当性の確認方法や、移転価格であることを考慮した算定方法をルール化してはどうか」と提案した。これに対しては、「薬価の透明性を高める観点から改善が必要であると考えている。移転価格であるということを考慮した算定組織で今後を十分にご検討お願いしたい」(診療側・城守委員)、「少なくとも中身がわからないような移転価格に加算が乗ることはさけていただきたい。また、原価計算方式での営業利益率についてもぜひ検討していただきたい」(支払側・幸野委員)など、見直しに賛同した。

◎診療側・松本委員 高額薬剤問題「軽症から使用することが望ましい医薬品」に問題意識

このほか、薬価算定組織のあげた論点にはなかったものの、診療側からは高額薬剤についても議論する必要性する声があがった。診療側の松本委員は、高額薬剤を「今後の大きな課題」と指摘した。「安全性・有効性が確認された薬に関しましては当然ながら速やかに保険収載するということは当然のルール」と述べたうえで、これまでは薬価が高額であっても、患者数が限定的なケースや、市場拡大再算定や費用対効果制度、最適使用推進ガイドラインの活用などで対応できてきたとの見解を示した。そのうえで、「今後、高額かつ使用される患者さんの数が非常に多く、市場規模が大きかったり、軽症から使用することが望ましかったりするような薬剤で、最適使用推進ガイドラインではなかなか対応することが難しいような薬剤が今後出てきた場合に、現在の薬価制度全般を使ってもなかなか対応しにくくなることも想定される」との問題意識を示した。

このほか、この日の薬価専門部会で、薬価乖離率の推移が示されるなかで、支払側の佐保昌一委員(連合総合政策局長)は、「乖離率で考えていくのが正しいのか。薬価そのものについて価格乖離そのものが発生するのは当然の成り行きで、このまま消耗戦のようなことを続けていくことで医薬品の安定供給、国内での新薬創出などに影響が出ないか懸念を持っている。医薬品の信頼性が損なわれるようなことがあれば、患者被保険者がその影響を受けることになります。薬価改定の方法等、この際しっかりと議論することが重要であると考える」と問題意識を示す一幕もあった。



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