地域医療構想を先取りして2つの公立病院が再編統合
医療資源の集約化がもたらす恩恵──渋川医療センターの事例から
公開日時 2021/09/01 00:00
病院経営の改善と地域医療の質・生産性向上を実現2016年に公立2病院の再編統合により新設された群馬県渋川市の国立病院機構渋川医療センターは地域医療構想を先取りし、地域の自浄作用を示した好例だ。群馬県の上半分を占める北毛地域において誰もが認める「基幹病院」を創設し、地域医療の底上げを図りつつ、県全体の患者の流れを大きく変えた。昨年からはコロナの影響は受けているものの、経営面も順調に推移している。同センターの取り組みから医療資源や機能の集約がマーケットにもたらす影響を考察する。(富井和司)「基幹病院」の不在で多くの患者が県南部に流出渋川医療センターが立地する渋川医療圏は群馬県のちょうど真ん中に位置し、その北西にある吾妻医療圏、北東にある沼田医療圏と合わせて北毛地域と呼ばれている。面積は県全体の半...