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厚労省 特例承認の新型コロナ治療薬ゼビュディ、「当面は入院での使用を考えている」

公開日時 2021/09/28 04:52
厚生労働省は9月27日、グラクソ・スミスクライン(GSK)の新型コロナウイルス感染症治療薬「ゼビュディ」を特例承認した。同日開かれた薬食審医薬品第二部会で了承後、即日特例承認された。効能・効果は「SARS-CoV-2による感染症」で、「重症化リスク因子を有し、酸素投与を要しない患者(軽症~中等症Ⅰ)」が投与対象となる。軽症患者が対象に含まれる新型コロナ治療薬が特例承認されたのは抗体カクテル療法・ロナプリーブに続き2剤目。臨床的な位置付けは、ロナプリーブと同様だが、1成分の投与であることから利便性があり、新たな治療選択肢として期待されている。

◎「今後の変異株の発現を考えると、治療選択肢を広げることは意義が大きい」

特例承認されたのは、「ゼビュディ点滴静注液500mg」(一般名:ソトロビマブ(遺伝子組換え))。ウイルスの表面に存在するスパイクタンパク質(Sタンパク質)に対するモノクローナル抗体であり、Sタンパク質と宿主細胞表面の酵素との結合を阻害(中和)することにより宿主細胞への侵入を阻害することで効果を発揮する。

類薬であるロナプリーブ(カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え))は、2種類の中和抗体を組み合わせることにより、変異株にも効果を持つことが期待されているが、ゼビュディは、ウイルスの保存性の高い領域(変異が起きにくい領域)に結合することにより変異株にも効果を持つことが期待されている。厚労省は部会後の会見で、「現時点で得られている情報から変異株に対する効果に大きな差はないだろう。今後の変異株の発現を考えると、治療選択肢を広げることは意義が大きい」とした。

同剤は、単回投与の点滴静注製剤であり、用法・用量は、「通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、ソトロビマブ(遺伝子組換え)として500mgを単回点滴静注する」。添付文書の用法・用量に関連する注意には、「症状が発現してから速やかに投与すること。症状発現から1週間程度までを目安に投与することが望ましい」と明記した。

臨床試験における主な投与経験を踏まえ、投与対象患者について、添付文書の効能・効果に関連する注意に「重症化リスク因子を有し、酸素投与を要しない患者」と明記した。厚労省は「当面は入院での使用を考えている。ただ、臨床的な位置付けなどはロナプリーブとほぼ同様なので、今後の使用実績を踏まえて速やかに広げられるように対応していきたい」と述べた。

なお、ロナプリーブについては、既に24時間以内の患者の病態の悪化の有無を確認できる体制の確保等を厚労省でも確認した上で、患者宅(高齢者施設等を含む)での往診使用が可能になっている。

◎供給希望の医療機関 GSK開設の登録センターに登録必要

承認申請のもとになった海外第2/3相臨床試験(COMET-ICE試験)では、重症化リスク因子として、▽55歳以上▽薬物治療を要する糖尿病▽肥満(BMI 30kg/m2超)▽慢性腎障害(eGFRが60mL/分/1.73m2未満)▽うっ血性心不全(NYHA心機能分類クラスⅡ以上)▽慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患又は労作時の呼吸困難を伴う肺気腫)▽中等症から重症の喘息(症状コントロールのために吸入ステロイドを要する又は組入れ前1年以内に経口ステロイドが処方されている者)――のうち、少なくとも1つ有する患者が選択基準となった。

ゼビュディの確保状況について厚労省は、「相手企業との間で秘密保持契約もあり、回答は差し控えたい。必要な予算を確保して適切に対応したい」と述べた。また、医療機関への配分に関しては、「ロナプリーブと考え方が似ている。厚労省が所有してGSKに委託して供給する。供給を希望する医療機関はGSKが開設する登録センターに登録してもらう」とした。

ゼビュディは9月6日に申請された。COMET-ICE試験は、重症化リスク因子を有し、酸素飽和度 94%(室内気)以上の患者を対象とした。入院又は死亡に至った被験者の割合は、中間解析では、本剤群(291例)で1%であり、プラセボ群(292 例)の7%と比較して 85%有意に減少させた(p=0.002)。また最終解析では、本剤群(528例)で1%であり、プラセボ群(529例)の6%と比較して79%有意に減少させた(p<0.001)。

ゼビュディは、GSKと米Vir Biotechnologyが共同で研究開発。GSKによると、米国で緊急使用許可を、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)からはRegulation 726/2004のArticle 5(3)に基づき肯定的な科学的見解を得ている。また、カナダ、イタリア、アラブ首長国連邦、シンガポール等では一時的承認、オーストラリアでは承認を取得している。
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