【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

楽天メディカルと神戸大 唾液腺がん患者のEGFR発現率の共同研究開始

公開日時 2021/10/20 04:50
楽天メディカルジャパンと神戸大学は10月18日、日本人の唾液腺がん患者におけるEGFR(上皮細胞増殖因子受容体)発現率に関する共同研究契約を締結したと発表した。唾液腺がんは頭頸部がんの一種だが、唾液腺がんに対するEGFR発現に関する十分なデータがない。共同研究では、日本人の唾液腺がんの種々の組織型におけるがんの増殖や進展に関連するEGFRの分析を行い、発現に関するデータの収集を目的とする。

契約に基づき、楽天メディカルは研究計画の立案と評価方法の開発を行う。神戸大は、同大に蓄積された唾液腺がんの患者データから約100検体を選定し、免疫染色による評価及び解析を行う。

楽天メディカルは、世界初の頭頸部がんの光免疫療法に用いる抗体薬物複合体アキャルックス点滴静注(一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え))を販売している。同剤の効能・効果は「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部がん」で、唾液腺がんにも使える。

アキャルックスはがん細胞を壊死させる新しい局所治療に用いる医薬品で、EGFRを標的とするモノクローナル抗体のセツキシマブと、光感受性物質であるフタロシアニン誘導体(IR700NHSエステル)が結合した抗体薬物複合体(ADC)。同剤投与後に専用の医療機器「BioBladeレーザシステム」でレーザ光を病巣部位に照射すると、腫瘍細胞の細胞膜上に発現するEGFRに結合した同剤が励起され、腫瘍細胞を傷害する。

神戸大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野の丹生健一教授は、「唾液腺がんは頭頸部がんの中でも希少ながんであり、日本人の同疾患に対するEGFR発現に関する十分なデータはない」と指摘。アキャルックスによる光免疫療法は、「EGFRが発現しているがんに効果があると考えられている。本研究により、EGFRを標的とした本治療の唾液腺がんに対する可能性が広がるものと期待している」とコメントした。

楽天メディカルの三木谷浩史会長は、「共同研究の解析結果が、唾液腺がんの治療選択肢を検討する上で重要な判断材料の一つとなり、イルミノックス治療(光免疫療法)を1日でも早く、1人でも多くの患者さまにお届けできることに繋がればと願っている」とコメントした。

唾液腺がんは、唾液腺にできるがんで、頭頸部がん全体の約5%を占める。唾液を作り出す唾液腺は、大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)と小唾液腺(口や咽頭に多数存在)に分かれている。唾液腺がんの約90%は耳下腺がんと顎下腺がんで、舌下腺がんや小唾液腺がんは極めて稀とされる。国内の年間発症者数は約1800人。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(3)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー