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辰巳化学 昨年7月のトリアゾラム錠の自主回収は「原薬の不正製造事件に関連したもの」と正式に公表

公開日時 2022/02/24 04:52
辰巳化学は2月22日、2021年7月に実施したトリアゾラム錠の自主回収の原因が、原薬の不正製造による医薬品医療機器法違反容疑で医薬品卸売会社元副社⻑ら3⼈が逮捕された事件に関連したものであったと正式に公表した。同社はトリアゾラム製剤の回収の経緯について、21年6月に製造販売承認書記載の原薬製造所から納入した原薬の最終ロット番号についての問い合わせがあり、確認したところ、当該原薬製造所と辰巳化学に相違があることが判明。これを踏まえて対象ロットの製品の自主回収(クラスⅡ)を同年7月に実施したとしている。

警視庁は睡眠導入薬・トリアゾラムの原薬の模造品を販売したとしてライフ・エヌ・ピー(東京都千代田区鍛冶町)の元副社長・舩木肇容疑者(51、港区六本木)ら3人を2月17日までに逮捕した。法人としての同社も同日、書類送検した。逮捕容疑は2019年7月、トリアゾラムの原薬の模造品38点を製薬会社に計約5300万円で販売したというもの。模造品は、辰巳化学と富士薬品に納入された疑いが高まっていた。このうち辰巳化学は、昨年7月に実施した自主回収が本事件と関連したものであったことを正式に公表した。

◎19年1月28日に納入された原薬「承認書の記載のない原薬製造所で製造されたもの」

辰巳化学によると、当該原薬を調査した結果、2019年1月28日に納入された原薬が、製造販売承認書に記載がない原薬製造所で製造された原薬であったと指摘。当該原薬を使用して製造した対象ロット製品の自主回収に踏み切った。なお自主回収となった製品は、辰巳化学のトリアゾラム錠0.125mg「TCK」(PTP100錠、出荷時期2019年9月30日~20年6月30日)のほか、製造委託を受けている日新製薬のトリアゾラム錠0.125mg「日新」(PTP100錠包装品・出荷時期2019年10月2日~21年6月14日までの当該製品)と長生堂製薬のトリアゾラム錠0.125mg「CH」(販売元:日本ジェネリック PTP100錠、出荷時期2019年10月9日~21年7月21日までの当該製品)。回収は21年9月30日までに完了した。

当該原薬について辰巳化学は、「製剤製造所での受入試験において、日本薬局方外医薬品規格トリアゾラムに適合していることを確認している」と説明。回収対象製品についても「製造販売承認書の規格に全て適合していることを確認した」としており、現在まで健康被害の報告はないという。

◎辰巳化学「今後、捜査により速やかに全容が明らかになっていくものと思っている」


辰巳化学は、「本事件は捜査中であることから全容が明らかでなく、弊社は詳細につきまして報告出来る立場にはございませんが、今後、捜査により速やかに全容が明らかになっていくものと思っている次第です」とコメントした。
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