「水俣病問題」は終わっていない 多くの医療者が研究に取り組んでほしい
映画監督 原一男さん
公開日時 2022/03/01 00:00
高度経済成長の負の遺産であり、四大公害病の一つとして知られる水俣病。総じて過去の出来事のように捉えられがちだが、いまだ病気の認定などをめぐって裁判が続いており、問題は未解決のままである。その水俣病に翻弄された患者や家族、支援者を20年近く追い続けた『水俣曼荼羅』が昨年11月から公開されている。監督はドキュメンタリー映画の鬼才、原一男氏で、一貫して問題や責任を矮小化し、あるいは認めようとしない行政や政府に食らいついていくカメラワークは健在だ。一方で15年にも及ぶ時の移り変わりの中で患者や家族の感情やその揺らぎを丁寧に描く。6時間を超える長尺の映画に込められた思い、メッセージを原監督に語ってもらった。(富井和司)〔略歴〕1945年6月、山口県宇部市生まれ。東京綜合写真専門学校中退後、養護学校の介...