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英NICE トリプルネガティブ乳がんにペムブロリズマブを推奨に変更

公開日時 2022/06/06 04:48
英国立医療技術評価機構(NICE)は5月25日、米MSDの抗PD-1抗体製剤キイトルーダ(ペムブロリズマブ)について、化学療法剤(パクリタキセルもしくはナブパクリタキセル)との併用で転移トリプルネガティブ乳がんの適応でNHS(国民保健サービス)の使用を推奨するとの最終ガイダンス案を発表した。NICEは、同剤の同適応については、今年3月8日、NHSでの使用を推奨しないとの当初ガイダンスを発表しており、最終ガイダンス案では推奨に変更した格好だ。

NICEの委員会は、当初ガイダンス案発表後、当該企業に、ペムブロリズマブ/化学療法併用とアテゾリズマブ/化学療法併用の比較に関するさらなるデータを求めた。当該企業は、その後、その要請に応じるなど対応策を打ち出し、NICEはこれを考慮、推奨に変更した。

NICEは、推奨の理由として、エビデンスは、ペムブロリズマブ/化学療法剤の併用は微小管阻害薬パクリタキセルよりも無増悪生存期間延長および延命に効果を示したことをあげた。NICEの独立評価委員会は、ペムブロリズマブ/化学療法剤の併用が、生存期間が短いと思われる患者の延命治療に対する費用対効果に優れた療法であることに合意した。

NICE医療技術評価センター(CHTA)のHelen Knightプログラム部長は、「本日の決定は、NICEがより多くの人々により良いケアを提供する前線に存在していることを示すものだ。私は、当該企業が我々と共に当初ガイダンスで問題となった点の解決法を建設的に見出したことを嬉しく思う」と述べた。そのうえで、「NICEが推奨している別の免疫療法であるアテゾリズマブにアクセスできなかった人々は、いまや、延命でき、最愛の人々と一緒に過ごせる貴重な時間を持つことに役立つ重要な新規オプションを持てる。従って、認可されたペムブロリズマブ併用は限られた患者集団への推奨だが、トリプルネガティブ乳がんにおける最大限の患者が効果的な治療法にアクセスできるようになる」とコメントした。
 
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