厚労省 BCMA標的のCAR-T細胞製品・カービクティを承認
公開日時 2022/09/27 04:49
厚生労働省は9月26日、ヤンセンファーマの再発又は難治性の多発性骨髄腫に用いるCAR-T細胞製品・カービクティ点滴静注を承認した。B細胞成熟抗原(BCMA)を標的としたCAR-T細胞製品で、BCMA標的の同製品はアベクマ点滴静注に続く2剤目、CAR-T細胞製品としては5剤目となる。
承認条件として、全例調査のほか、施設要件及び医師要件を満たすことに加え、「サイトカイン放出症候群の管理等の適切な対応がなされる体制下で本品を使用すること」がついた。国際共同第1b/2相試験で、重大な副作用のひとつにサイトカイン放出症候群(94.3%)が認められている。
承認された再生医療等製品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元)。
▽カービクティ点滴静注(シルタカブタゲン オートルユーセル、ヤンセンファーマ):「再発又は難治性の多発性骨髄腫。ただし、▽BCMAを標的としたCAR-T細胞療法の治療歴がない▽免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の前治療歴を有し、かつ、直近の前治療に対して奏功が得られなかった又は治療後に再発した――のいずれも満たす場合場合に限る」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。希少疾病用再生医療等製品。再審査期間は10年。
レンチウイルスベクターを用いて、標的とするB細胞性術抗原(BCMA)のキメラ抗原受容体(CAR)を自己T細胞に遺伝子導入し、細胞表面に発現させた再生医療等製品。
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした国際共同第1b/2相試験(非盲検非対照試験)では、主たる有効性評価対象集団である外国人97例について、主要評価項目である独立評価委員会判定に基づく全奏効率[95%信頼区間]は96.9%[91.2%,99.4%]だった。同製品が目標用量範囲で投与された日本人集団8例では全奏効率[95%信頼区間]は100.0%[63.1%,100.0%]だった。
重大な副作用としてサイトカイン放出症候群(94.3%)、神経系事象(39.6%)などがみられた。