12人の子供のうち6人もが統合失調症を発症した実在の衝撃的な一族
公開日時 2022/12/22 00:00
情熱的読書人間榎戸誠【衝撃的な一族】『統合失調症の一族――遺伝か、環境か』(ロバート・コルカー著、柴田裕之訳、早川書房)ほど衝撃的な書物に出会うことは滅多にない。なにしろ、実在の、アメリカ・コロラド州のギャルヴィン家の12人の子供のうち6人もが統合失調症を発症してしまったのだから。統合失調症を発症した長男のドナルド、次男のジム、四男のブライアン、七男のジョセフ、九男のマシュー、十男のピーターのいずれもが悲惨な生涯を辿ることになるが、自分がその一族の一員だったらと考えるだけで気を失いそうになる。「ドナルド、ジム、ブライアン、ジョゼフ、マシュー、ピーターは、一人ひとり異なる形で患い、異なる治療を必要とし、次から次へと診断が変わり、統合失調症の本質についての、相容れない説の対象とされた」。「精神に...